井上の印象を聞かれると…

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が4日（日本時間5日）にラスベガスでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス（米国）に8回TKO勝ちして4団体防衛に成功した試合は多くの感動と衝撃を呼んだ。米放送局で実況を務めたアナウンサーは、井上の華やかな部分はもちろん、「毒」にも魅了されたよう。ポッドキャスト番組に出演し「史上最高」と語っている。

　魅了されたのはファンだけではなかった。ボクシング経験もある米俳優のマリオ・ロペス氏と米スポーツ専門局「ESPN」で記者を務めていたスティーブ・キム氏による米ボクシング専門ポッドキャスト番組「3ノックダウン・ルール」のYouTubeチャンネルに登場したのは、ESPNで実況を務めるジョー・テシトーレ氏。キム氏から「あなたがボクシングで実況した選手の中で、ナオヤ・イノウエがお気に入り？」と聞かれると、迷わずこう答えた。

「スタイル、リスクリワード、圧制的なところ、毒のある攻撃、素早い攻撃、恐れ知らずなところが大好きだ。彼はいつも興奮させてくれるが、それで史上最高なんだ。彼はファンに親しみやすい要素と史上最高の偉大さを兼ね備えている」

　井上の完璧な攻撃を「毒」と表現するのは、華やかさとの対比の言葉としては実況者らしい言い回し。「史上最高」を目の前にして、興奮はいまだ収まらず、といったところだ。