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申ジエが「永久シード」王手もあまり意識しない謙虚なワケ ツアー29勝でも「日本で最初に勝った時…」

国内女子ゴルフのメジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯最終日が11日、茨城GC東C(6675ヤード、パー72)で開催され、2位で出た37歳の申ジエ(スリーボンド)が、通算7アンダーで並んだ藤田さいき(JBS)とのプレーオフを制してツアー29勝目、メジャー5勝目を飾った。韓国、欧州、米ツアーなどを含めると66勝目。国内ツアーに関しては、30勝で達成の「永久シード」に王手をかけたが、会見ではレベルアップする日本人選手たちと「まだまだ一緒に頑張りたい」と話した。

ワールドレディスサロンパス杯で優勝した申ジエ【写真:Getty Images】
ワールドレディスサロンパス杯で優勝した申ジエ【写真:Getty Images】

ワールドレディスサロンパス杯最終日

 国内女子ゴルフのメジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯最終日が11日、茨城GC東C(6675ヤード、パー72)で開催され、2位で出た37歳の申ジエ(スリーボンド)が、通算7アンダーで並んだ藤田さいき(JBS)とのプレーオフを制してツアー29勝目、メジャー5勝目を飾った。韓国、欧州、米ツアーなどを含めると66勝目。国内ツアーに関しては、30勝で達成の「永久シード」に王手をかけたが、会見ではレベルアップする日本人選手たちと「まだまだ一緒に頑張りたい」と話した。

 18番パー5でのプレーオフ1ホール目。申が残り75ヤードから放った54度ウェッジでの第3打は、ピン20センチにピタリとついた。藤田がグリーン奥からの第4打をチップインできず、勝利は確定的。だが、申は一打に時間をかけるいつものルーティンの後、ウィニングパットを沈めた。そして歓声の中、両手で小さくガッツポーズ。会見では実感を込めて言った。

「4日間がすごく長く感じました。このグリーンはウェッジじゃないとボールが止まらないので、第2打でそこまで運べたのか良かったです」

 正規の18ホールでは、1ボギーのみで73だったが、最後にスーパーショットで激闘を制した。

 2023年アース・モンダミンカップ以来、約2年ぶりのツアー29勝目。米ツアーでは7勝、欧州ツアーでは3勝しており、韓国ツアーや他の国での勝利数を合計すると66勝目になった。セッティングが難しいメジャー戦は日本だけでも5勝目。この日も巧みなアプローチ、パットでピンチをしのぎ続け、永久シードに王手をかけた。だが、「それはあまり意識していない」という。

「日本で最初に勝った時は、永久シードのことは考えられませんでした。ただ、次の1勝と考えて今があります。それはこれからも同じなので、『永久シードになるから勝ちたい』という感じではありません。この大会で勝てたことも、今週の調子が良かったからじゃなく、今まで頑張ってきた結果だと思います」

 謙虚な積み重ねは、今季もあった。3月のアクサレディス、4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで連続予選落ち。その原因を「アプローチが良くないから」と判断し、今大会に向けて練習を繰り返して調整してきたという。

 会見では、感じている日本人選手のレベルアップにも言及した。

「私が日本に来た時より、アグレッシブになったし、いろんなプレースタイルが見られるようになりました」

 現実に申が勝てなかった2年間で、笹生優花(全米女子オープン)、古江彩佳(エビアン選手権)、西郷真央(シェブロン選手権)が海外メジャー優勝者になるなど、その成長は著しい。だが、申も海外メジャー戦出場を継続しており、「一緒に強くなることはうれしいですし、これからも一緒に頑張っていきたいです」と話した。

 一方で「正直、残り何年プレーできるかなとは思います。体力が落ちた感じもありますし、若い時よりは1試合1試合が重くなってきました」と実感を込めながら、「山で例えると、最後まで努力をして、ゴルフ人生を下りきるということが大事だと思っています」。申はツアープロとして力尽きるまで、その背中を愛する日本で見せていくつもりだ。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)



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