11日に井岡一翔VSフェルナンド・マルティネス

　ボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチに出場する前同級王者・井岡一翔（志成）が9日、東京・大田区総合体育館で11日に行われる現王者フェルナンド・マルティネス（アルゼンチン）との直接の再戦に向け、都内で調印式に臨んだ。名参謀は再戦に強い井岡の修正力に期待を込めた。興行はABEMAで無料生配信。戦績は36歳の井岡が31勝（16KO）3敗1分、33歳のマルティネスが17勝（9KO）。

　井岡を指導するイスマエル・サラストレーナーもこの日の会見に同席。昨年7月の敗戦について「ボクシングはより強いものが勝者になる。あの日の夜はマルティネスが勝っていた」と受け入れた。その上で「イオカは既に日本ボクシング界ではレジェンドと言われている素晴らしい選手。13年間、王座に就いていた」と信頼を寄せた。

　井岡は過去3度の再戦で全勝している。多数の世界王者を育ててきたサラストレーナーは「確かに失敗をしたが、リベンジではいつも学んでいる。イオカの修正する力は素晴らしい」と教え子の対応力を称賛。「今回は必ずこのリベンジを成功させたい」と背中を押し、期待を込めた。

「イオカは私が信頼するボクサーの一人。彼の振る舞い、苦労、プロ意識を高く評価している。日本の皆様は素晴らしい試合を見ると思う。どちらの選手もあらゆる準備をしてきた。素晴らしいタイトル戦になる」

　昨年7月、井岡はIBF王者だったマルティネスとの王座統一戦で0-3の判定負けを喫し、WBA王座から陥落した。マルティネスはIBF王座を返上。昨年大みそかに再戦予定だったが、来日後に王者がインフルエンザに感染し、延期された。井岡が勝てば36歳1か月で王座奪取となり、元世界3階級制覇王者・長谷川穂積氏の35歳9か月を上回る日本男子最年長記録となる。

　名参謀に支えられる井岡は、王者と10か月ぶりに対面し「元気そうでよかった」と安堵。自身の不利予想があるが「全く気にしていない。前回の試合があっての評価なので仕方ない。勝利してそれを覆したい」と決意を込めた。

　今興行では、WBA世界スーパーフェザー級4位・堤駿斗（志成）が、同級15位ハイメ・アルボレダ（パナマ）との133ポンド（約60.3キロ）契約10回戦に登場。WBA世界ライトフライ級6位・吉良大弥（志成）が、110ポンド（約49.8キロ）契約8回戦で同級13位ジャクソン・サパタ（ベネズエラ）と対戦する。