7回終了時にトレーナーが指示

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が4日（日本時間5日）、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス（米国）との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。レフェリーストップの直前、カルデナス陣営が発していた言葉に、ファンは「止めたのは正解だったんじゃないかな」と納得している。

　2回に井上からダウンを奪うも、その後は連打を浴び続けたカルデナス。7回にはダウンを喫し、闘志を見せながらも防戦一方の様子だった。米スポーツ専門局「ESPN」の中継では、7回終了後のコーナーで、トレーナーのジョエル・ディアス氏がカルデナスに指示を与える様子が映された。

「あと1ラウンドだけ与える。なぜか？　お前のスピードが落ちているからだ。相手に圧力かけてぶっ倒せることを示せ！　でも、もし止まったら次の回は戻さないぞ！」

　レフェリーストップのタイミングについて、井上と対戦経験がある元WBC＆WBO同級王者のスティーブン・フルトン（米国）は「そろそろ止められるのは目に見えていたが、単純明快にこれは少し早すぎた」とXで指摘。他にも同様の意見を表明する米記者もいた。

　しかし、このシーンを見たネット上の日本人ファンからは「止めたのは正解だったんじゃないかな」「ああそうだったんだ…。それならもう完全に、レフェリーの判断は妥当だった」「プロってすごいせかいだ…」「陣営はちゃんと分かってたか」「トレーナーの仕事は勝たせることはもちろん、無事にリングから降ろすことなんだよ」「トレーナー視点から見ても『もう無理やぞ』って見えてたんか」などの声が上げられていた。