VS井上尚弥、カルデナスが燃やす「金」を超える戦い 巨額ファイトマネーも「俺にとっては…」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は4日(日本時間5日)、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(米国)と防衛戦を戦う。両者は1日(同2日)、会場近くのホテルで行われた到着イベントに登場。巨額のファイトマネーが予想される中、挑戦者は「金のためにここにいるわけじゃない」と力強く意気込んだ。興行はPrime Videoで独占生配信。戦績は32歳の井上が29勝(26KO)、29歳のカルデナスが26勝(14KO)1敗。

井上尚弥VSカルデナス
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は4日(日本時間5日)、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(米国)と防衛戦を戦う。両者は1日(同2日)、会場近くのホテルで行われた到着イベントに登場。巨額のファイトマネーが予想される中、挑戦者は「金のためにここにいるわけじゃない」と力強く意気込んだ。興行はPrime Videoで独占生配信。戦績は32歳の井上が29勝(26KO)、29歳のカルデナスが26勝(14KO)1敗。
謙虚さの裏に闘志が滲み出ていた。リラックスした表情で特設会場に現れたカルデナス。インタビュー席に座ると「ここにいられるだけでワクワクしている。この週末のイベントの一員でいられることに感謝している。ボクシングにとって歴史的な週末だとみんなが知っている。ビルボードに自分の名前が入っているのはとても恵まれたことだ」と3日後に控える大舞台に向け、武者震いした。
巨額のファイトマネーが予想されるが意に介していない。「俺は金のためにここにいるわけじゃない。レガシーのためにここにいるんだ。他のみんなは『マネー、マネー、マネー』という感じだが、俺にとってはレガシーが全て。世界王者になればそれは一生もの。金はなくなるが、世界王者の冠は自分がこの世からいなくなってもずっと残る」。夢の王座獲得のチャンスに飛びついた。
もちろん井上が難敵であることは重々承知。29戦無敗の絶対王者を倒すためには「完璧な36分間が必要。人生イチの完璧な36分間ができれば俺が4団体統一王者になる。ミスは一つも許されない」と警戒する。下馬評は圧倒的に井上有利だが「失うものは何もない。得るものばかりだ。プレッシャーはない」と豪語。「自分の全てを出し尽くすよ」と力強く宣言した。
イベント終了後には、日本から来たTHE ANSWER編集部記者に「日本から来たの?」とにこやかに逆質問。自ら右手を伸ばして握手を求めてきた。日本のファンに向け「ボクシングは最高だってところを見せたい。俺はWBA1位で指名挑戦者。つまり世界最高の1人だ。彼(井上)もそう。ベストとベストの戦い。それが最高なことだね」とメッセージを送った。
29歳のカルデナスは右構えのオーソドックススタイル。フードデリバリーサービスの配達員をして食いつないできたという苦労人だ。15年7月にプロデビュー。13戦目に初黒星を喫したが、以降は14連勝で井上戦を迎える。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)