井上尚弥VSカルデナス

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が1日（日本時間2日）、米ネバダ州ラスベガスで到着イベントに登場し、現地ファンから大歓声を浴びた。4日（同5日）にTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位ラモン・カルデナス（米国）と防衛戦を予定。米レポーターは、カルデナスとかつて井上に敗れたスティーブン・フルトン（米国）の意外な共通点を指摘した。興行はPrime Videoで独占生配信。戦績は32歳の井上が29勝（26KO）、29歳のカルデナスが26勝（14KO）1敗。

　グレーのウェアに身を包んだ井上は公式行事のリングに上がり、米ファンの歓声に応えた。会場でインタビューに対応。心境や意気込みを語る中、米女性レポーターから「自分の中で特にお気に入りの試合は？」と問われると「スーパーバンタム級に上げたフルトン戦が自分の中でお気に入りの試合」と2023年7月のフルトン戦を挙げた。8回TKO勝ちし、WBC＆WBOの同級王座を獲得した試合だ。

　ここで女性レポーターが「フルトンもカルデナスもラットテールという髪型をしていますね。気付きましたか？」と笑いながら質問。頭全体を短く刈りつつ、後ろ髪を編んでねずみの尻尾のように垂らす髪型が共通していると指摘した。井上も「何となく気付いていました」と笑みをこぼした。

　カルデナスの印象については「全体的に非常にまとまった選手。その中で左フックという一発を持っている。一瞬の油断だけは気をつけたい」と警戒。2021年6月以来3度目の本場ラスベガスでの試合に向け「ここ、ラスベガスで何を求められているかは十分承知の上で来ている。5月4日は期待通りのボクシングを見せたい」と意気込んだ。

　この日は試合会場近くのカジノホテル「MGM GRAND」で到着イベントが行われた。カジノフロアの特設ステージには300人以上の観客が集結。井上は最後に米ファンのサイン攻めに応じ、決戦に備えた。海外開催は5度目。MGM GRANDの側面や、大通りに並ぶ電光掲示板には「怪物」と日本語で書かれた井上の巨大広告も登場し、モンスター上陸に熱気が高まっている。