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台湾の大砲、東京Dの正しいアナウンスに感謝「ありがとう!」 長い呼び方が話題も…少数民族の名前は「誇り」

野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は22日、東京ドームで4か国によるスーパーラウンドが行われ、台湾が米国に8-2で快勝した。捕手・吉力吉撈鞏冠は「4番・DH」で先発し、5打数2安打だった。少数民族のパイワン族出身。日本語での発音について少数民族団体から異例の要望が出されていたが、それに準じたアナウンスに「素敵だったよ。ありがとう!」と感謝した。

米国戦に「4番・DH」で先発し、5打数2安打だった台湾代表の吉力吉撈鞏冠【写真:中戸川知世】
米国戦に「4番・DH」で先発し、5打数2安打だった台湾代表の吉力吉撈鞏冠【写真:中戸川知世】

ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は22日、東京ドームで4か国によるスーパーラウンドが行われ、台湾が米国に8-2で快勝した。捕手・吉力吉撈鞏冠は「4番・DH」で先発し、5打数2安打だった。少数民族のパイワン族出身。日本語での発音について少数民族団体から異例の要望が出されていたが、それに準じたアナウンスに「素敵だったよ。ありがとう!」と感謝した。

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 球場に「ギリギラウ・コンクアン」というアナウンスが響き渡った。台湾の「4番・DH」で先発した吉力吉撈鞏冠。日本のテレビ中継では「キチリキキチロウキョウカン」と長いカタカナ名で紹介され、話題を呼んだ。これに対し、少数民族団体「原住民族青年陣線」が20日、フェイスブックで「台湾原住民族青年団体による日本のメディア各社への公開書簡」を公開。正しい読みをしてほしいと異例の要望を出した。

 発表された書簡では「いくつかの日本のメディアの放送では、彼のパイワン族の名前である『giljegiljaw kungkuan』について、漢字表記の『吉力吉撈・鞏冠』をもとに『キチリキキチロウ・キョウカン』と発音されており、パイワン語の発音とは大きく異なっています」と説明。「できる限りパイワン語の発音に沿った形で彼の名前を放送していただけるよう、心からお願い申し上げます」とした。

 さらに「できるだけ原音に近いカタカナ表記を参考までにご提供いたします」として、個人名は「ギリギラウ」、個人名の短縮形は「ギラウ」、家屋名は「コンクアン」であると示した。前日のベネズエラ戦では、球場の日本語アナウンスが「キョウカン」、スタジアムMCは「ジリジラウ」などと発音しているように聞こえたが、この日はともに「ギリギラウ・コンクアン」に近い音だった。

 ギリギラウはこの日、5打数2安打1得点で8-2の勝利に貢献。「チーム全員がとてもいい仕事をしたと思う。自分自身は試合を楽しもうとしただけ」と試合を振り返った。公開書簡については知らなかったというものの、この日のアナウンスに関しては「今日ははるかに良かった。とてもうまく発音していたと思う」と笑顔。「素敵だったよ。ありがとう!」と感謝した。

 米マイナーで2014年から6年間プレー。一時は朱立人(チュウ・リーレン、Chu Li-Jen)という漢名を使用していたが、2019年から現在の登録名に変更した。「僕の民族名なんだ。ユニホームにこの名前を入れることを決めた。自分の家族のことをとても誇りに感じているから」とその意図を説明した。

 なお、上記の公開書簡では「個人を呼ぶときは、個人名のみを用い、家屋名のみで呼称することはありません。giljegiljawはパイワン族の慣習的な短縮形でgiljawと呼ばれますが、これは親しい友人や家族の間で使われるものであり、正式な放送では使用を控えることをお勧めします」と補足されている。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)


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