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なぜ村田諒太は敗れたのか 完敗の裏にあった3つの誤算とは?「相手の方が上だった」

ブラントは描いたプラン通りの展開に持ち込んだ

 そして第3の誤算。ブラントの完璧なまでの王者対策だった。村田も足を使いプレッシャーをかけることには成功したが、そこからのパンチがなかなか当たらない。逆にブラントに執拗なまでに左のショートを重ねられた。「右をしっかり見切って、左右に動いて、打ち終わりをジャブ突いてという感じ。コントロールされたな、よく研究されたなという印象です」と認めるしかなかった。


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 ブラントは2か月前からラスベガス入りし村田対策を積んできた。元世界王者のエディ・ムスタファ・ムハマド氏には4か月前から師事。村田のことをよく知る、ライトヘビー級の元王者に細かい指示を受けてきた。戦前、ライター・杉浦大介氏による電話取材で、こう話していたという。

 村田にとって過去唯一の敗戦だった2017年5月のアッサン・エンダム(フランス)戦を振り返り、「あの一戦の中でムラタ攻略の青写真が示されたとも感じています。こちらがよりアクティブに動き、手数を出せば、ムラタのパンチは出なくなる。展開次第で動きが減ることがムラタの弱点ですね」と自信をのぞかせていたのだ。エンダムとブラントではタイプこそ違うが、ハンドスピードで村田を上回ることは共通している。まさに狙い通りの展開に持ち込んだわけだ。

 村田は完敗を素直に認め、「非常にいいコンディションでできてましたし、練習自体も100%やってきたんで、追い込みもしっかりやってきた。今までで一番いい追い込みができたと思ってますし、その過程においては何の後悔もない」と言い訳はしなかった。 

 村田にとってもゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチなど、大きな展望が開ける一戦だったが、ほぼ無名に近い存在だったブラントにとっても、今回のタイトルマッチはボクサー人生最大のチャンスととらえていた。共に最善の準備をしたことは間違いないが、ほんの少しだけ、勝利への執念が上回ったのはブラントだったのかもしれない。

(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)




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