王者・帝京大が3連覇! 雪降る極寒悪天候の決勝で創部100年の明大撃破、雷で異例の55分中断も
ラグビーの全国大学選手権決勝が13日、東京・国立競技場で行われ、帝京大が明大を34-15で破り、3大会連続12度目の優勝を飾った。創部100周年で5大会ぶり14度目の日本一を目指した伝統校を撃破。落雷による異例の長さの中断を挟む悪天候の中、9連覇した2017年度以来のV3で王者の強さを見せつけた。
全国大学選手権決勝
ラグビーの全国大学選手権決勝が13日、東京・国立競技場で行われ、帝京大が明大を34-15で破り、3大会連続12度目の優勝を飾った。創部100周年で5大会ぶり14度目の日本一を目指した伝統校を撃破。落雷による異例の長さの中断を挟む悪天候の中、9連覇した2017年度以来のV3で王者の強さを見せつけた。
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先制は帝京大だった。前半3分、敵陣残り22メートルのラックから小刻みなパスで左に展開。大外で受けたWTB高本とむ(4年)が相手3人をかわしてインゴールに飛び込んだ。FB山口泰輝(4年)のゴールで7-0。しかし、みぞれの混じった雨が降り始め、同20分には会場近くの落雷の影響で約2分間試合が中断した。同22分にも雷が鳴り、選手が一度ピッチを退くほどの悪天候となった。
55分という異例の長さの中断を挟み、両校選手たちはそれぞれ円陣。大声を張り上げるとスタンドの応援団も呼応し、試合は再開された。雨は降り続く中、帝京大は再開直後の前半26分、残り5メートルの左ラインアウトからモールを形成。最後方でボールを持った主将のHO江良颯(4年)が隙をついてトライを決めた。
0-14で追う明大は同35分、敵陣右端の残り5メートルのラックから素早いパス回しで左に展開。大外の秋濱悠太(3年)が3人のタックルを振り切ってトライを奪った。さらに同39分、キックで転々とするボールを残り30メートルで帝京大が痛恨のノックオン。スクラムを選択した明大はWTB海老澤琥珀のトライに繋げ、主将のCTB廣瀬雄也(4年)のゴールで12-14として前半を折り返した。
気温5度を下回った寒さを吹き飛ばす白熱した展開。帝京は後半4分と8分のペナルティーゴール(PG)で20-12とした。次第に雨は雪に変わったが、手を緩めず同20分にCTB戒田慶都(4年)のトライと山口のゴールで27-12。同23分に相手PGで27-15と迫られたが、終了間際にトライを挙げて突き放した。試合終了は午後5時57分。ノーサイドの笛を聞くと、選手たちは白い息を吐きながら歓喜の雄叫びを上げた。
創部53年の帝京大は17年度まで9連覇。21年度に4大会ぶりの復活優勝を遂げた後、黄金期を築いた岩出雅之前監督からバトンを引き継いだのが相馬朋和監督だった。就任2年目で3大会連続の決勝。今年度のチームスローガンは「ONE HEART(ワンハート)」を掲げ、充実したFW陣など厚い選手層のチームで戦い抜いた。
一方、明大は創部100周年で何としても優勝がほしいところだった。昨年度は準々決勝で早大に敗戦。5大会ぶりの王座奪還へ、チームスローガンに「ONE MEIJI」を掲げた。しかし、対帝京大は連敗続き。特に昨年11月の対抗戦は11-43の大敗だった。最後に巡ってきたリベンジの機会。伝統の“重戦車”FWを武器に、受け継がれる「前へ」の精神を持ちながら2大会前にも決勝で敗れた相手に全力でぶつかった。
両校の決勝対決は2大会ぶり3度目。過去2回の17、21年度はともに帝京が優勝した。現4年生はコロナ禍が始まった20年4月に入学した世代。両校とも難しい環境の中でチーム作りを進め、日本一を争う舞台にたどり着いた。
■帝京大・江良主将「1年間、苦楽を共にして歩んできた仲間、140人という大人数という中でグラウンドに立てない悔しさや、いろいろな想いがたくさんあった。ここに辿り着くまでに全員が良い想いをして来たわけじゃない。その中でもチームが日本一になるためにハードワークし続け、いろいろなものを犠牲にしてきた。このような仲間がいたからこそ、ここまで到達することができた。この仲間と1年間、共にプロセスを歩んできて、このタイトルは凄く価値はあるし、誇りに思います」
■帝京大・相馬監督「明治大学さんが素晴らしいパフォーマンスをされた。(雪に雷による中断もあり)そんな中でも今までやってきたことを信じて仲間のために体を張り続けようと。(3連覇と12度目の優勝を経て、今後に向けて)このチームだけではなく、今まで帝京大学に関わるすべての人たちが作ってきたものをさらに発展させられるように、これからも毎日毎日頑張っていきたい」
(THE ANSWER編集部)