40歳の王者・張志磊がジョイスとの再戦でKO勝ち

　ボクシングのWBO世界ヘビー級暫定タイトルマッチが23日（日本時間24日）に英ロンドンで開催され、40歳の王者・張志磊（チャン・ツィーレイ、中国）が前王者のジョー・ジョイス（英国）に3回KO勝ちした。4月に6回TKO勝ちした相手との再戦で、戦慄の右フックが炸裂。海外メディアから「KOオブ・ザ・イヤー候補」との声も上がったが、敗れたジョイスは「危険を冒しすぎて、代償を払うことになった」と敗因を語っている。

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　再戦は衝撃的なKO決着となった。3回だ。40歳の張志磊が、左に続けて放った強烈な右フックがまともにヒット。大きな音が響いた次の瞬間、ジョイスは膝から崩れ落ちてキャンバスに前のめりとなった。場内は騒然。意識朦朧の敗者とは対照的に、張志磊は誇らしげに両手を突き上げた。

　実際の映像が米スポーツ専門局「ESPNリングサイド」の公式X（旧ツイッター）に公開され、英ラジオ局「トーク・スポーツ」のマイケル・ベンソン記者が「本気の『ノックアウト・オブ・ザ・イヤー』候補になるだろう」と絶賛するなど大きな話題になった試合。英ボクシング専門メディア「iFL TV」公式Xは、敗れたジョイスの言葉を動画で伝えている。

　落ち着いた様子でインタビューに応じたジョイスは「チャンは素晴らしいボクサーだ。彼は素晴らしいサウスポーで、銀メダリスト。おそらくほとんどのボクサーから勝負を避けられてきた」と相手の実力を素直に称えた。

　敗因については「リスクが高すぎたかもしれない。サウスポーと戦わなければならなかったから。長い間サウスポーとは戦っていなかったからね」とサウスポーとの戦いだったことを挙げ、「ガッカリしているよ。自分自身で立場を悪くしてしまった。危険を冒しすぎて、代償を払うことになった」と正直な胸の内を明かした。「まだ終わりじゃない。まだまだ余力は残っている。しばらく振り返る時間を取って、この試合を見返し、新たな向上した姿で帰ってきたいと思う」と再起も誓った。

　中国出身の張志磊は暫定ではあるが、アジア人初の世界ヘビー級王座を獲得した選手。2008年の北京五輪で銀メダルを獲得している。これで通算26勝（21KO）1敗1分となっている。