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金メダル直前で転倒11位悲劇 女王ハッサン名言「こけちゃったわ」「人生山あり谷ありよ」谷口浩美彷彿の笑顔【世界陸上】

ブダペスト世界陸上は19日(日本時間20日)、女子1万メートル決勝で先頭を走っていたシファン・ハッサン(オランダ)がゴール20メートル手前で転倒し、31分53秒35で11位となる大波乱があった。しかし、当の本人はレース後、「バランスを崩してこけちゃったわ」「人生山あり谷あり、だから人生は美しいのよ」と明るく笑い飛ばし、名言を残した。

世界陸上・女子1万メートルのゴール直前に転倒するシファン・ハッサン【写真:ロイター】
世界陸上・女子1万メートルのゴール直前に転倒するシファン・ハッサン【写真:ロイター】

ブダペスト世界陸上、女子1万メートル決勝

 ブダペスト世界陸上は19日(日本時間20日)、女子1万メートル決勝で先頭を走っていたシファン・ハッサン(オランダ)がゴール20メートル手前で転倒し、31分53秒35で11位となる大波乱があった。しかし、当の本人はレース後、「バランスを崩してこけちゃったわ」「人生山あり谷あり、だから人生は美しいのよ」と明るく笑い飛ばし、名言を残した。


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 ゴール直前でまさかの悲劇に襲われた。

 東京五輪で5000メートル、1万メートル2冠を達成し、今大会は1500メートルと合わせ、異例の3種目挑戦のハッサン。午前に行われた1500メートル予選から数時間で登場したレースは各選手が自重し、1000メートル通過は3分40秒という超スローに。ハッサンはいつものように集団を避け、最後方からレースを展開。残り1周手前で11人の集団10番手から一気に6番手に進出。スプリント勝負になると序盤のスローペースが嘘のようなピッチでバックストレートで先頭に立つ。

 ただ、最後の直線でグダフ・ツェガイ(エチオピア)とのマッチレースとなったが、脚がもつれたのか、接触があったのか、ラスト20メートルで転倒した。会場が悲鳴に包まれ、起き上がったハッサンは歩いてゴール。11位となった。まさかの結末に騒然とした空気にスタジアムは陥っていた。そのままゴールしたツェガイが31分27秒18で金メダルを獲得した。ところが、ミックスゾーンに現れた当の本人は終始明るい表情だった。

「最後の20メートルあたりで、お互いに接触したと思う。それでバランスを崩して、こけちゃったわ」と振り返り、「(後方を)振り返ったから転けたんじゃない。振り返ったのは、残り200メートルとか400メートルだったと思う。望もうが望まざるが、こういったことは起こるもの」と語った。

 右肘から出血しており、「血が出ているの。膝も…」と明るく報道陣に見せたハッサン。「人生は良いことばかりじゃない。山あれば谷あり。だから人生は美しい」と爽やかに名言を残した。日本人からすれば、バルセロナ五輪男子マラソンで転倒し、「こけちゃいました」と笑った谷口浩美を彷彿とさせる笑顔。陸上で無欠の強さを誇ってきた鉄人女王は、よもやのアクシデントに見舞われてなお、チャンピオンの余裕と誇りをうかがわせた。

(THE ANSWER編集部)





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