“神救助”された世界3位の名手に“恩返し” 英国の新星が2週前の再戦を制す
前回の対戦ではディミトロフに“救助”されたエドモンド。痛烈な“恩返し”を果たした
実はエドモンドとディミトロフの対決には“伏線”があった。今月5日、2018年の男子ツアー今季開幕戦・ブリスベン国際でのこと。最終セット、4-4と接戦を演じていた第9ゲームの最中。ベースライン付近でエドモンドが声を上げ、突然、コートに倒れ込んだ。ラケットを手放し、両手で右足付近を押さえ、うずくまった。故障か――。会場の誰もが息をのんだ次の瞬間だった。
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対戦相手のディミトロフは血相を変え、ネット方向に猛ダッシュ。そして、ラケットを手にしたまま豪快にネットを飛び越え、全速力で倒れ込んだエドモンドのもとへ、関係者よりも早く駆けつけた。心配そうに二言、三言声をかけ、苦悶の表情のエドモンドが起き上がろうという素振りを見せると、両手で引っ張り上げたのだ。
ディミトロフの行動とエドモンドの闘志に会場は一躍、拍手喝さいに包まれた。それでも、ディミトロフの行動は終わらない。自分と相手のラケットを拾い上げると、エドモンドに肩を貸し、腕を支えたままベンチまで寄り添ったのだ。およそ15メートルの距離を25秒かけてゆっくりと。その間、会場の拍手が鳴りやむことはなかった。
当時、海外メディアで「スポーツマンシップの終着点」とたたえられたディミトロフ。あれから18日後、エドモンドが当時の“恩返し”を痛烈な形で果たしてみせた。
ブリスベン国際で敗れた借りを返した格好にもなったエドモンド。オンコートインタビューでは「ディミトロフはこれまでハードな戦いをしてきた。消耗していたから、彼にとってタフであることはわかっていた」と最後まで相手を気遣う気持ちを忘れなかった。
(THE ANSWER編集部)