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中高生が試合前に取るべき食事 炭水化物は「試合時間が90分程度or未満」の競技で違い

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第32回は「試合前の食事」について。

第32回のテーマは「試合前の食事」について(画像はイメージです)
第32回のテーマは「試合前の食事」について(画像はイメージです)

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第32回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第32回は「試合前の食事」について。

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「スポーツの秋」と言いますが、この季節は多くの競技が試合期を迎えています。試合期の食事のポイントを時間の経過上で言うと、「試合当日の手前」と「試合当日」の食事があります。今回は中学・高校生に向けた、試合前の食事の基本についてお話しましょう。

 中・高校生ですと、試合の2日前や前日から、当日を意識した食事に切り替えます。試合直前の食事で、最低限、知っておきたいのは「摂らなくてはいけない栄養素」と「摂ってはいけない食品」です。

 まず「摂らなくてはいけない栄養素」ですが、これは炭水化物に尽きます。

 試合でどれだけ頑張れるかは、体のなかにエネルギー源となるガソリンをどれだけ詰め込めるかがカギです。人間の体にとってのガソリンとは、栄養素でいうと「炭水化物」。そして、炭水化物を詰め込む作業を「グリコーゲンローディング」と言います。

 ガソリンは長時間になるほど、たくさん必要です。ですから、試合時間が長い競技の選手ほど、グリコーゲンをたくさん詰め込む必要があります。

 ローディングが必要か否の判断基準は、試合の時間が90分程度続くか否かです。

 高校生でいうと、例えばサッカーは試合時間そのものは前後半で80分ですが、ハーフタイムを挟みますし、PK戦になる可能性もあるので、90分に相当すると考えます。バレーボールも60分ぐらいで終わるときもあれば、もつれて2時間程度、続く場合もあります。このように90分間に近い時間が想定される競技の場合は、カーボローディングを行いましょう。

 90分未満の場合は、特にローディングをする必要はありません。普段と同じ量の食事を、しっかり食べれば大丈夫です。

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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