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県初戦敗退校が19年連続女王を破った日 17人の“ハンド女子”の奇跡はこう生まれた

霞ケ浦を望む小高い丘に建つ、茨城県立麻生高校。周辺地域はハンドボールが盛んで、小学生から地元のクラブでプレーできる環境にある。麻生ハンドボール部も、男女とも常に県内上位に位置する実力校だ。

茨城県立麻生高校女子ハンドボール部【写真:荒川祐史】
茨城県立麻生高校女子ハンドボール部【写真:荒川祐史】

県初戦敗退から半年、絶対女王を撃破してインターハイ出場を掴んだ茨城・麻生高

 霞ケ浦を望む小高い丘に建つ、茨城県立麻生高校。周辺地域はハンドボールが盛んで、小学生から地元のクラブでプレーできる環境にある。麻生ハンドボール部も、男女とも常に県内上位に位置する実力校だ。

 しかし茨城県の高校女子ハンドボールは、長年、全国制覇の経験もある水海道二が絶対女王として君臨。インターハイ出場を19年連続で決めている。一方、今年の麻生女子ハンドボール部の状況は芳しくなく、部員は3名のマネージャーを含め全17名。しかも、チームを先導する3年生3人のうち2人は高校からハンドを始めた初心者だった。

 そして、新チームで臨んだ昨年12月の新人戦。麻生は県大会初戦敗退という戦績でスタートする。

「相手をなめていたわけではないけれど、自信があっただけに、先制を相手に許し、焦ってしまった。『シュートにいかなきゃ』『ここで守らなきゃ』と焦りからミスを繰り返し、全員が悔いの残る試合をしてしまった」(主将・高野稀汐/3年)

 今年、チームの指揮を執って3年目を迎えた小沼嘉樹監督はしかし、「新人戦の初戦敗退こそが、今のチームが花咲く始まりだった」と振り返る。

「大きなことを成し遂げるチームには底抜けの明るさや、“らしさ”が出る。当時の彼女たちは、自分たちの色や強みが今ひとつわからないという印象だった。私が潰している部分があったら引き出さなければいけないと考え、より彼女たちの考えを尊重する指導に切り替えました」(小沼監督)

 小沼監督が掲げたテーマは「ジリツ(自立と自律)」。何事もキャプテンがやる、先輩がやると誰かに委ねるのではなく、一人一人が自立して練習に取り組むように意識を徹底。練習のアイデアも全員が出し合い、時に小沼監督や練習相手の大学生からアドバイスを受けながらメニューを決めた。さらに、プレーの一つひとつに至るまで、それぞれが目的や意図をいちいち声に出して、確認。昼食も共にし、日々繰り返される選手間での緻密なコミュニケーションは、少人数ならではの強みと言える。

 また、私生活、学校生活から律することの大切さを説いた。「学校生活や私生活でさぼったり怠けたりしても、すべてコートに出る」。小沼監督のこの言葉が、部員たちの心に響いた。

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌、フリーランスを経て編集ユニット、Lush!を設立。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌、WEBなどで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『肩こりには脇もみが効く』(藤本靖著、マガシンハウス)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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