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「日本一」が迎えに来た最後の秋 4つの2位に涙、貫いた一礼…高校ラストレースで訪れた逆転劇――佐久長聖・阪真琴

「日本一」が最後の秋に迎えに来た。18日に行われた青森・国民スポーツ大会の陸上少年女子A300メートル障害決勝。阪真琴(長野・佐久長聖高3年)が40秒86で優勝し、悲願の日本一に輝いた。夏のインターハイでは4つの2位。誰よりも「日本一」を願いながら届かなかった3年生が、高校最後の大会で掴んだ栄冠。その姿を見て、思い出した光景がある。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

阪真琴【写真:荒川祐史】
阪真琴【写真:荒川祐史】

「THE ANSWER 陸上PLUS|COLUMN」 青森・国民スポーツ大会

「日本一」が最後の秋に迎えに来た。18日に行われた青森・国民スポーツ大会の陸上少年女子A300メートル障害決勝。阪真琴(長野・佐久長聖高3年)が40秒86で優勝し、悲願の日本一に輝いた。夏のインターハイでは4つの2位。誰よりも「日本一」を願いながら届かなかった3年生が、高校最後の大会で掴んだ栄冠。その姿を見て、思い出した光景がある。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 ◇ ◇ ◇

 1年前の夏、広島インターハイ。

 人もまばらな予選のミックスゾーン。息を切らしながら引き揚げてきた1人の選手が、通路に落ちていたゴミをさっと拾ったように見えた。

「まさか、レース直後にそんなことしないよな」

 ゼッケンを確認すると、佐久長聖・阪真琴だった。

 妙に印象に残った。

 この夏、阪は全国トップクラスのハードラーとなって、滋賀インターハイに帰ってきた。「ずっと日本一になりたいと強く思っています」。1本目の予選レース後、7分間の取材で「日本一」という言葉を6度、口にした。穏やかな口調とは裏腹に、強い決意に驚いた。

 中3で進路を決める時、両親に誓った。「佐久長聖で日本一になります」。2年夏にインターハイ100メートル障害8位、400メートル障害3位。初めて全国トップで戦う中で「日本一」の輪郭がはっきりしていった。

 監督に言われ、心動かされた言葉がある。

「日本一は取りに行く人だけのものではなくて、それにふさわしい人のもとに日本一が迎えに来る」

 ただ速く走るだけではない。日本一にふさわしい人間になる。従来から続けていた習慣も、より強く意識するようになった。レース後は必ずトラックに一礼する。ゴミが落ちていれば拾う。

「いくらタイムが速くても、選手から『競技』を抜いた時にどういう人間であるのか。自分がどういう形で日本一になりたいかを一人一人が常に問い続けながらやってきた」

 あの日、広島の通路で目にした光景。1年越しに、思いがけず答え合わせができた。

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