「日本一」が迎えに来た最後の秋 4つの2位に涙、貫いた一礼…高校ラストレースで訪れた逆転劇――佐久長聖・阪真琴
最後のハードルで、今度は阪が楠田を逆転した
2か月半が経った。
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青森・国民スポーツ大会。阪は長野代表のユニホームをまとっていた。少年女子A300メートル障害決勝。インターハイの400メートル障害で日本一を争った楠田の姿もあった。
夏は最後のハードルで逆転された。
今度は違った。
最後のハードル。その手前で阪は楠田をかわし、先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。40秒86。日本一。ゴールした阪は両手で顔を覆った。みるみるうちに表情が崩れていく。
「日本一は取りに行く人だけのものではなくて、それにふさわしい人のもとに日本一が迎えに来る」
日本一に届かなかった夏も、ゴミを拾い、誰も見ていない場所で頭を下げた。結果に関係なく、「なりたい自分」を目指し続けた。
両親に誓った「日本一」。何度も涙を流しながら、それでも諦めずに追い求めた3年間。
両手を顔から離した阪は立ち止まり、深々とトラックに一礼した。観客の声援に応えるよりも先に。
高校ラストラン。
最後の最後に、阪真琴のもとに「日本一」が迎えに来た。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
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