高2の大浴場、裸の出会いから世界へ 東京五輪で延泊「帰らせるわけないだろ」…種目を超えた2人の歩み――アジア大会代表・橋岡優輝×江島雅紀【前編】

日大で深まった関係「遠くから見ても」
橋岡は八王子学園八王子(東京)、江島は荏田(神奈川)を卒業後、ともに2017年4月から日大へ進学した。一緒に過ごす時間が増え、自然と仲も深まった。種目は違っても、同じグラウンドに立つことで得られるものがあった。
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江島「日大のグラウンドでも、バックとメインで違うけど、橋岡だけ動作が飛び抜けているから、他の選手たちと一緒にやっていてもすぐ分かる。『次、橋岡が跳ぶんだな』って。遠くから見ながら考えるだけでも勉強になった。僕は踏み切りが苦手だったから、見ているだけでも参考になったな」
橋岡「僕はポールを持って走ることはないから…技術的には棒高跳びと違う部分が多いけど、シンプルに『凄いな』と思って見てた」
切磋琢磨しながら力を伸ばした2人は、2019年の世界選手権ドーハ大会にそろって出場した。世界の舞台へ向かう過程にも、2人らしいエピソードがあった。
橋岡は同年8月17日、アスリート・ナイト・ゲームズ・イン福井で、当時の日本歴代2位となる自己ベスト8メートル32の大ジャンプを披露した。その翌18日、江島は千葉・木更津の記録会に出場。世界選手権の参加標準記録と同じ5メートル71の自己ベストを跳び、代表入りを決めた。
江島「僕が標準記録を切れたのも、ある意味、橋岡のおかげだったよね。前日の試合で、橋岡が8メートル32を跳んで、次の日が僕の試合だった。すごくやる気になった。その年の日本選手権は勝っていて、あとは標準記録を切れば代表になれるという条件だった中、大きな刺激をもらった」
といっても、大げさに励まし合うわけではない。互いの何気ないやりとりが、自然と背中を押す。
江島「当時、最初に橋岡へ伝えたのは『やったな! おめでとう』ぐらい?」
橋岡「いつも通りだったよね。『じゃあ、明日よろしくねー』って(笑)」
江島「そんな感じ」
橋岡「『じゃあ、明日頼むよー』って。『やれる』『やってくれるでしょ』とはずっと思っていたし。まずは一緒に出られてよかった。次(世界選手権)が本番だって感じだったよね」
そして2019年のドーハ世界選手権では、ともに世界の舞台に立った。橋岡は8位入賞。江島も世界のトップ選手と競い、次につながる経験を得た。
江島「橋岡が先に世界で入賞して、僕も『出るだけじゃなくて、次は世界の決勝に出たい』という気持ちになった。何て言えばいいんだろう。僕にとっては、自分の可能性を広げてもらった感覚だったな」
橋岡「部屋も一緒だったし、別にそんな特別なこともないというか、いつもの遠征とあまり変わらない雰囲気だったよね(笑)。同学年の(男子短距離のサニブラウン)ハキームもいたし。『ちょっと試合のレベルが高いな』ぐらいの感じでしたね」
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