「ちん!ちん!ちーん!」「顔が…GKの顔が」 久保竜彦、50歳…解禁した缶ビールより酔ったチュニジア戦4-0の恍惚

アルコールより酔える日本のサッカー「くあぁ……すごぉい」
キックオフ。と同時に、おむすびセット2つ目をもう平らげたドラゴンの雄叫びがいきなり響く。
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「カマダぁ!」
前半4分、左サイドからのクロスに鎌田が合わせ、日本W杯史上最速先制。「(クロスからのテンポが)『ちん! ちん! ちーん!』やん」。腰を浮かせ、ドラゴン節で大興奮。「かかとやん。シャレてる……すげえよ」
芸術弾に酔いしれ、たまらず2本目のエビス350mlを投入。
10分、再び決定機。CKの混戦からシュートを相手GKがゴールライン上でかき出す。その表情に瞠目。「顔、GKの顔が。変な顔しとったもん、GK。入っとるよ」。4年越しの“1ミリ返し”に阻まれ、ため息。「おーん」
31分、また叫ぶ。速攻から上田が持ち上がる。「打て、打たんか!」。刹那、スーパーミドルが炸裂。缶は空に。舌は滑らかに。「マタか、また股(股抜き)やん!」
以降は攻撃のリズムが落ち着き、ドラゴンも小休止。水に切り替え、未だ太いふくらはぎをかく。「板倉、(体の強さが)ユ・サンチョルみたいやな」。空の上にいる戦友を思い出しているうちに、2-0で前半終了。「よっしゃ」
45分で消化が早い。老眼の影がちらつく目を細めて成分表示を確認し、スタバのあらびきソーセージパイをムシャリ。残り45分、胃袋を整えた。

◇ ◇ ◇
後半開始。と同時に、封を切った低糖質ロカボナッツをつまむ手がやがて止まる。
「カマちゃん!」
24分。絶妙なパスから伊東が裏に抜け出し、3度目の咆哮。「うぅわああ……カマちゃん、うまかった」。1試合の間で急速に縮まる鎌田との距離。が、VTRを見て訂正。「あっ、(パスは)上田や。上田やった」。苦笑い。
直後、給水タイムへ。「もう2点くらい行くやろ。まあ、1点は行くやろな」。予言、的中。
39分、右サイドからのクロスに上田が下がりながら巧みなヘディング弾。「うぅわあああ…はっは」。立ち上がることもない。笑うだけ。日本の歴代No.1ストライカーを「そりゃ、カマモトさんやろ」と言って憚らない男が唸った。
「アレやるのすごいよ。伸び切っとったもん、体。すぅごい、すぅごいよ。(FWとして)カマモトさん以来やろ」
W杯で衝撃の4-0。
もう、プレモルにも一番搾りにも手は伸びない。アルコールより酔える魅力が日本のサッカーにはある。
勝利直後。漏れた恍惚が、その証明だった。
「くあぁ……すごぉい」

◇ ◇ ◇
試合後に実施した解説インタビュー。
世界に衝撃を与えた日本のエースストライカーのすごみ、スタメン起用で攻撃にリズムを生み出した選手の貢献、ドイツW杯を目指した自身の現役時代と比較して感じる日本代表の進化まで。
誕生日ケーキを「甘い」と頬張りながら、存分に語り尽くした。
「4-0よ。横綱みたい。やばい、日本やばいよ。信じられません。もう、飲むしかないやろ」
午後3時53分。
そう言い残し、まだ明るさが包む中目黒に消えていったドラゴン。50歳のずいぶんと長い夜が始まろうとしている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
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