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バイク事故で3週間寝たきり→五輪へ 「脳は損傷、膝は潰れたが…」無名ランナーの道を拓いた信念【東京世界陸上】

怪我に悩まされるアスリートへのアドバイス

 競技を問わず、怪我に悩まされるアスリートは絶えない。なかにはそのままフェードアウトしてしまう選手も。絶望すら感じてしまうような状況に陥っている人にアドバイスを求めると、ジャイルズは「意地悪に聞こえるかもしれないけど……」と切り出し、こう続けた。

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「逆境を経験するのはあなたが最初で最後ではない。どんな困難に立ち向かうかではなく、どう困難に立ち向かうかなんだ。もしあなたが『誰か引っ張り出してくれ』というようなマインドセットだったら、失敗に終わるだろう。『絶対になんとかする。諦めない』というマインドセットなら、確実ではないけど、光明は見えてくる」

 世界陸上、五輪を通じて初の決勝進出を目指した今大会は予選で3分41秒60。第2組で15人中8着と準決勝に駒を進めることはできなかった。「今日の走りは言い訳しようがない」と悔しさを滲ませつつも、自分の可能性は疑わない。「31歳になったが、自分なら出来るとまだ信じるぐらいには私は馬鹿で、頑固なんだ」。決勝の舞台、そして表彰台へ。必要な努力は惜しまず重ねるつもりだ。

「10年経ってまだメダルは獲得できていないけど、これからも扉を叩き続けるし、私はまた戻ってくる。この人生で達成できなければ、次の人生でやってやるさ。私は自分のことを信じているんだろうね。家族のことを養えなくなるまでは、諦めることをずっと拒み続けるよ」

 寝たきり状態から奇跡のカムバックを果たした諦めの悪い男。長い道のりはまだまだ続く。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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