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「正直、絶対にいけると」防御率0.48の育成右腕が受けた“移籍通告” 初のレンタルで見た落差「居酒屋しか…」

宮里は捕手との意見交換もバッチリ。チームに溶け込んでいる【写真:羽鳥慶太】
宮里は捕手との意見交換もバッチリ。チームに溶け込んでいる【写真:羽鳥慶太】

何でも自分で準備が必要「ウインターリーグに行っている感じ」

 ソフトバンクが選手の派遣制度を使うのが初なら、オイシックスが受け入れるのも初。「最初はどうなるか、不安っちゃ不安でした」と正直な思いを口にする。シーズン終了までのホテル住まい。朝食と球場で提供される食事以外は、自分で何とかしなければならない。いざ長岡の町に出てみると「居酒屋しか開いてなくて……」。夜が早い街に面食らった。

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 寮で栄養バランスまで考え抜かれた食事が提供されるソフトバンクとは、180度違った生活。「揚げ物とかやっぱり避けているので。そうなると……。寿司を食べました。体を作るたんぱく質は寿司でいいので、栄養素を考えたら野菜が必要だなと」。グラウンド以外でも考えることばかり。トレーニングするジムから探さなければならない。ただこの環境も、ソフトバンクが期待している部分ではないかと考えている。

「ホークスからは、いろんなことに対応できるようになってほしいと言われています。オフシーズンに海外のウインターリーグに行く選手が増えていますけど、それに今行っている感じというか」。試合では、グラウンド、天候、相手と様々な要素が刻一刻と変わっていく。その中で、同じ結果を出し続けられるのがプロだ。この試みは、対応力を磨く環境を国内で用意したともいえるのだ。

 自身の、今季の取り組みは間違いなかったと感じている。オフは投球動作をひとつひとつ分解して、動きの質を高めるのにこだわった。直球の平均球速が147キロから150キロまで、約3キロ上がった。その上で、目標もはっきりしている。「1軍行くんだったら152とか53とか。そこまで必要だと思います」。さらにスライダーで空振りを取れるようにしてほしいという課題も出されている。

 イースタン・リーグの閉幕までオイシックスで投げ、秋の教育リーグからはソフトバンクに復帰の予定。「7月31日の補強期限が過ぎて、ホークスでなんとなく過ごす2か月と、こっちで環境が変わる2か月はまた違うと思っています。間違いなく、刺激にはなるかな」。悔しさを乗り越え、気持ちは前向きだ。

 オイシックスの武田勝監督は「とにかくいろんな場面で、たくさん投げてもらおうと思っています。ソフトバンクさんの期待もそこにあると思うので。その中で、実戦で力を発揮する方法を学んでもらえれば。しっかり育てることができれば、うちにも実績になりますから」と期待を寄せる。合流からの20日間で6試合に投げ、防御率は1.59。始まったばかりの実験は、成果を生み始めている。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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