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「もしかしたらラストかも」 巨人ドラ2が“2軍球団”へのレンタルで飛躍 山田龍聖の2か月半「チャンスでしかない」

打者からボールの出所が見づらいフォームで投げる山田【写真:羽鳥慶太】
打者からボールの出所が見づらいフォームで投げる山田【写真:羽鳥慶太】

育成降格で覚悟「もしかしたらラストかもしれないじゃないですか」

「1軍で投げていないので、やっぱり評価しようがないと思うんです。育成になったら、もしかしたらラストかもしれないじゃないですか。そこで逆に、思い切ってできるのかなと思ったんです。それまでの自分は保守的になることが多くて、最悪を想定してやってきたんですね。なので今年はフォームも全然違っていると思います」。開き直りにも近いメンタルと新たな環境が、再び山田を羽ばたかせた。

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 ここまでの3年間、苦しいことのほうが多かった。1年目は制球の不安に悩まされた。「もともとそれほどコントロールがいい方ではないですが、軽く投げてもストライクが入らなくなってしまって……。イップスのような感覚もあったと思います」。

 先発のように出力を調整しながら投げるのではなく「最初から全力で投げてみよう」という杉内俊哉コーチの助言で苦境から抜け出すきっかけをつかんだものの、2年目は夏に左肩を痛めてしまった。オフには背番号が28から90へ一気に大きくなった。自分の優先順位がどんどん低くなるのは、感覚でわかる。その中では違う環境でのリセットも、大きな意味を持った。

 昨冬には豪州ウインターリーグに参加。アデレード・ジャイアンツで6試合に先発し1勝2敗。防御率は4.91だったが、25回2/3を投げ、イニングをはるかに上回る43三振を奪った。捕手のサインに首を何度も振り、課題にしていたスライダーやカットボールを投げ続けた。打たれなければ、何が問題かわからない。日々確認と改善を繰り返した。

「オーストラリアでいろいろ試したからこそ、今は勝負に行けていると思うんです」

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