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「世界中が日本人なら…」 来日3日目、駐車場で途方に暮れていると…驚きの展開「欧州なら10日経っても起こらない」【Bリーグ川崎・ギンズブルグHC】

 いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国で適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第3回はバスケットボールBリーグ・川崎ブレイブサンダースのロネン・ギンズブルグヘッドコーチ(HC)。2024-25シーズンから就任し、28日には来季の契約継続が発表された。イスラエル出身の61歳。チェコ代表のHCを11年間も務めた名将だ。後編では、日本の路上で体験した母国では考えられない親切心について語ってくれた。

取材に応じた川崎のロネン・ギンズブルグHC【写真:編集部】
取材に応じた川崎のロネン・ギンズブルグHC【写真:編集部】

連載「Athlete Life in Japan」――第3回Bリーグ川崎ギンズブルグHC

 いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国で適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第3回はバスケットボールBリーグ・川崎ブレイブサンダースのロネン・ギンズブルグヘッドコーチ(HC)。2024-25シーズンから就任し、28日には来季の契約継続が発表された。イスラエル出身の61歳。チェコ代表のHCを11年間も務めた名将だ。後編では、日本の路上で体験した母国では考えられない親切心について語ってくれた。

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 今季、川崎初の外国籍HCに就任したギンズブルグ氏が初めて来日したのは2021年東京五輪のこと。男子チェコ代表を指揮したが、コロナ禍のためにコート外の日本を知る機会はほとんどなかった。昨年8月にチームに合流してから取材時点で半年ほど経過していたが、「毎日新しい発見ばかりで、自分が赤ん坊のようだよ」とまだまだ異国の文化に目を丸くしてばかりだった。

 一番驚いたのは「助けることを厭わない人々の親切心」。日本に到着してから3、4日後のこと。車を駐車場に停めたはいいが、日本語ばかりで精算方法がわからない。途方に暮れていると、近くにいた人が助けに来てくれた。「欧州だったら10日間、イスラエルだったら20日間立ち尽くしていても、誰も『どうしましたか』と声をかけてこないだろう」。日本で感じた優しさを冗談交じりに強調した。

 道を尋ねると目的地まで案内してもらったこともあった。「本当に親切で礼儀正しい。子どもたちもそうだ。そういったことも学校で教えていると聞いたよ」。街の綺麗さ、人々の仕事に対する姿勢にも感銘を受けている。「それがなんであれ、喜びと意欲を持って取り組んでいるように見える。私のマンションを清掃してくれる人も、まるで世界で一番の仕事かのようにやっている」

 飲食店に日本語メニューしか置いていないなど、言葉の壁にぶつかることはしばしば。だが、それはオファーを受けた時から覚悟していたこと。周囲の優しさのおかげもあり、「困難」と感じることはない。

「うちのアシスタントコーチたちに言っているんだ。世界中の人がみんな日本人のようだったら、世界はもっといい場所になるだろう。戦争や対立はなくなるんじゃないかとね」

 日本にも悪人はいるし、課題も少なくない。だが、イスラエル、チェコ、ウクライナで20年以上コーチを務めてきた61歳の目には、日本の優れた部分が輝いて見えた。

※取材は2月に実施

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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