トマトや硬貨が飛ぶ欧州バスケ…監督オファー蹴り、触れた日本の文化「他の国では馴染みがない」【Bリーグ川崎・ギンズブルグHC】
いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国で適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第3回はバスケットボールBリーグ・川崎ブレイブサンダースのロネン・ギンズブルグヘッドコーチ(HC)。2024-25シーズンから就任し、28日には来季の契約継続が発表された。イスラエル出身の61歳。チェコ代表のHCを11年間も務めた名将だ。前編では、欧州クラブからのオファーを蹴ってでも日本を選んだ理由や、イスラエルや欧州とのバスケ文化の違いを教えてくれた。

連載「Athlete Life in Japan」――第3回Bリーグ川崎ギンズブルグHC
いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国で適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第3回はバスケットボールBリーグ・川崎ブレイブサンダースのロネン・ギンズブルグヘッドコーチ(HC)。2024-25シーズンから就任し、28日には来季の契約継続が発表された。イスラエル出身の61歳。チェコ代表のHCを11年間も務めた名将だ。前編では、欧州クラブからのオファーを蹴ってでも日本を選んだ理由や、イスラエルや欧州とのバスケ文化の違いを教えてくれた。
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1950年から続くクラブの歴史上初めて、川崎は外国籍のHCを迎え入れた。“ネノ”の愛称を持つギンズブルグHCはイスラエル出身の61歳。01年から母国プレミアリーグで指揮官となり、13年から23年まではチェコ代表のHCを務めた。同国を初めてFIBAユーロバスケット7位(15年)、ワールドカップ(W杯)6位(19年)に導いた名将。日本行きは「私の目標の1つだった」と振り返る。
チェコ代表HCとして、16年リオ五輪最終予選、19年W杯で日本代表と対戦。2戦ともに2桁点差で勝利した。21年東京五輪で初来日。直接対決はなかったが、日本バスケの確かな成長を感じた。「ここ3~5年、日本に注目してきた。リーグが向上し、どんどん良くなっているところを五輪で見た」。Bリーグの競争力向上を実感する体験は、20年から4年間HCを務めたウクライナリーグ時代にもあった。
「5、6年前なら、獲得したい選手が欧州やイスラエルに来てくれた。だがここ3、4年は米国の優れた選手が『申し訳ないが日本に行くんだ』と断るようになった」。競技レベルが上がり、金銭面でも欧州リーグに見劣りしない条件を提示できるようになったBリーグは、海外選手にとって魅力的な移籍先になった。ギンズブルグ氏自身も、欧州クラブからのオファーを固辞し、川崎入りを選んだ。