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日本人が足で世界を制する日 Jリーガーら270人超を指導、「走りのプロ」が描く夢

日本のスポーツ界変える夢「日本代表を100メートル10秒台にしたらW杯優勝できる」

「サッカーなら、GK以外の日本代表10人を100メートル10秒台にしたら、ワールドカップ優勝できるんじゃないか。絶対に刺されない盗塁ができる野球選手を作る、絶対にトライを決められるラグビー選手を作るとか……。それが現実になれば、日本のスポーツ界が大きく変わるんじゃないかって思います。

 僕は9秒台で走ったことがないので、その世界は分かりません。でも10秒台で走ったことはあるので、10秒台を出すレシピ、メソッドは知っています。それをアスリートの一人ひとりにしっかり伝えていく。もしかしたら、足が速くなることで日本のスポーツが世界一になれるチャンスはあるのでは? という思いがある。それを考えるだけで楽しいんです」

 他競技は使う筋肉も違えば、求められる動きも違う。指導する上では“見る目”が必要となるが、競技に対する理解を深めようと日々勉強を欠かさない。

「Jリーグも、野球も、バスケも、いろんな競技を観るし、1日1試合はサッカーを観るということを決めている。じゃないと、僕らが陸上で何万回も人の走りを見て、良くなってきた理由はこうだと、サッカー選手に言えないと思っている。『だって、あなた、サッカーやったことないじゃん』って言われたら終わり。だから、月に1回はフルコートのサッカーを実際にスパイクを穿いてやっています。陸上以外のスポーツは、まだまだ素人なので」

 走りのプロとして、確かな「目」を持っているからこそ、競技の異なるアスリートも信頼を寄せる。自身は「400メートルハードルは戦術が左右する分、探求心ないとできない。そこで養われたものが今に生きているのかな」と分析。そして、今は日本のスポーツ界の未来に「目」を向け、「0.01」のプロジェクトの意義を力説した。

「引退して五輪に出場するといった明確な目標がなくなってしまって、何を目指してやっていけばいいんだろういうという悩んだ時期もあった。でも、やっていくうちに今はこれだけがモチベーションになっている。速くなった、嬉しい、というのを見たいし、共有したい。それが『0.01』のプロジェクトの理念の一つにもある。100分の1秒でも速くなることで喜び合い、感動することで幸せになってほしいです」

「指導のプロ」が「プロのアスリート」に走りを教える。かつてないジャンルの「指導」は、日本のスポーツ界を変える、きっかけとなるかもしれない。

【秋本真吾氏プロフィール】

2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。オリンピック強化指定選手にも選出。200mハードルアジア最高記録、日本最高記録、学生最高記録保持者。
2013年からスプリントコーチとしてプロ野球球団、Jリーグクラブ所属選手、アメリカンフットボール、ラグビーなど多くのスポーツ選手に走り方の指導を展開。
地元、福島県「大熊町」のために被災地支援団体「ARIGATO OKUMA」を立ち上げ、大熊町の子供たちへのスポーツ支援、キャリア支援を行う。
2015年にNIKE RUNNING EXPERT / NIKE RUNNING COACHに就任。
http://001sprint.com/

【伊藤友広氏プロフィール】

高校時代に国体少年男子A400mにて優勝。アジアジュニア選手権の日本代表に選出され400m5位、4×400mリレーではアンカーを務め優勝。国体成年男子400mにて優勝。
アテネ五輪では4×400mに出場。第3走者として日本過去最高順位の4位入賞に貢献。
国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ・ユース対象)を取得。
http://001sprint.com/

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer



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