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写真に残った羽生結弦の鬼気迫る目 震災から14年、残した余韻はあの日見上げた星空の如く

“職業・野村萬斎”が感じた羽生さんの生き様「ますます成し遂げていく」

 羽生さんはあくまで「このプロの世界、表現の世界というものにしっかり足を踏み入れてからは(自分自身)若輩者でしかないと思っている」と謙虚に語る。しかし、野村さんの見方は違った。初対面から約10年。当時との対比について、目を細めながらこう語った。

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「あの頃はまだ僕と喋っているときに、彼の中にもちろん内包されているものなんだけれど、まだ言語化されていなかった。それが多少私の言葉も含めて、今までの経験などでだんだん殻が破れて、芽が出て、まさしく今、花開いているなと」

 日本の文化、伝統を背負って生きる自負もあり“職業・野村萬斎”を名乗る。羽生さんの生き様にも似たものを見出している。

「彼のスケートにとどまらない意志、発想、行動力。そういうものが本当に凝縮された素晴らしいショーだった。“職業・羽生結弦”はますます彼のできることを成し遂げていくんだろうなと思います」。物語をともに作り上げる中で、確かな成長が伝わってきた。

「notte stellata」は羽生さんが平昌五輪のエキシビションで滑ったプログラム。イタリア語で「満天の星」を意味する。地元・仙台で震災にあった時、停電の暗闇の中で見た美しい「満天の星」に希望を感じたことから公演タイトルにも付けられた。

 宮原知子さん、鈴木明子さん、田中刑事さん、無良崇人さん、本郷理華さんら日本の名スケーターに加え、海外からはハビエル・フェルナンデスさん、ジェイソン・ブラウンさん、シェイリーン・ボーンさん、ビオレッタ・アファナシバさんが出演。あの日羽生さんが見た星空のように、スケーター1人ひとりが輝く演技を残した。

「一瞬も気持ちを切らさずに、少しでもこの会場でメンバーと全員で、3.11やいろんな災害に対してできることを、何かのきっかけになるようにと願いながら、祈りながら滑らせていただきました」。“職業・羽生結弦”だから残せるショーの深い余韻が消えないまま、宮城は14度目の夜明けを迎える。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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