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V大本命日本も苦しむアジア各国強化の背景 名将招聘、アジア枠8.5で「W杯は無理」中堅国も本気に

サッカー・アジアカップ(杯)が決勝トーナメントに突入した。16だった出場チーム数が前回大会から24に増加。「水増し」感がぬぐえないかと思っていたが、1次リーグから熱戦続きで、日本戦以外も存分に楽しめた。アジア全体のレベルが上がる中、最多5度目の優勝を狙う日本代表。王座奪還はなるのか。(文=荻島 弘一)

アジアカップ、2勝1敗で決勝トーナメント進出を決めたサッカー日本代表【写真:ロイター】
アジアカップ、2勝1敗で決勝トーナメント進出を決めたサッカー日本代表【写真:ロイター】

決勝トーナメント突入したアジアカップ、5度目のV狙う日本代表は王座奪還なるか

 サッカー・アジアカップ(杯)が決勝トーナメントに突入した。16だった出場チーム数が前回大会から24に増加。「水増し」感がぬぐえないかと思っていたが、1次リーグから熱戦続きで、日本戦以外も存分に楽しめた。アジア全体のレベルが上がる中、最多5度目の優勝を狙う日本代表。王座奪還はなるのか。(文=荻島 弘一)

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「日本、厳しいんじゃない?」。学生時代のサッカー仲間からメールが入った。強さを見せつけたかった1次リーグで意外にも思える苦戦。ベトナムに先行され、イラクには敗れ、インドネシアにも終了間際にゴールを許した。予想外の2位突破。「大丈夫か?」と思うのも当然だろう。

 22年ワールドカップ(W杯)でドイツとスペインに勝ち、昨年も好調をキープした。アウェーでドイツに勝つなど、元日のタイ戦まで国際Aマッチ9連勝。個々の選手が欧州トップクラブの主力として活躍するほどレベルアップし、選手層も厚くなった。アジアのトップに君臨していることは、大会前アジア勢最高の17位だったFIFAランクを見ても明らかだ。

 ただ、大会になれば別。ランクが高いチームが勝つとは限らない。「FIFAランク1位のチームはW杯で優勝できない」のは有名だが、実はアジア杯でもアジアのトップランカーが優勝したことはない。

 前回19年大会優勝のカタールは大会直前に93位で、アジア内で13番目。前々回15年大会で地元優勝したオーストラリアは100位でアジア内10番目だった。日本もランク導入前だった92年大会の初優勝を除けば、4位(00年、04年)と2位(11年)での優勝。逆に1位で臨んだ96年は準々決勝敗退、07年は4位と期待に応えられなかった。

 W杯もアジア杯もランクトップで臨めば対戦相手からのマークは厳しくなる。研究もされ尽くすだろう。国民の過度な期待、時にはチームに慢心が生まれることがあるのかもしれない。大会前にピークを迎えてしまい、本番で失速するパターンもある。「アジアで勝つのは簡単ではない」と森保一監督は繰り返しているが、それでも周囲は「勝ち方が問題」「勝って当たり前」のムード。本当に簡単でないのだが、期待は高まる。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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