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世界陸上で異例会見「50~100年後に我々の国はない」 温暖化で“沈みゆく国”が訴えた死活問題

温暖化で逼迫する各国連盟会長が願い「太平洋には最大のゴミの島が浮かんでいる」

 ツバルには海水が入り、土壌の塩分濃度も上昇。すでに農作物が育たないなど影響が出ているという。赤道と日付変更線をまたぐ島々で形成されたキリバスでも同様。同国陸連のルシア・テカモティアタ会長が農業、漁業がすでに変化を余儀なくされていると説いた。

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 主に珊瑚環礁からなるクック諸島では、1980~90年代に栄えていた黒真珠産業が気候変動で衰退。同じく南太平洋に浮かぶバヌアツやサモアでも台風や津波、洪水の被害が増加するなど、日常生活が脅かされているという。

 バヌアツ陸連のアントワン・ブディエール会長は「我々は日々の生活で影響を受けている。生活に直結しているんだ。しかし、他の国々ではそうではない」と力を込める。「我々は少しずつ生活を変えている。プラスチックを禁止したり、できる限りのことをしている。他の国ではなぜできないのか?」

 温暖化、海洋汚染にも繋がっているプラスチックゴミ。バヌアツには、多く流れ着いているという。「動かすことはできるが、費用がかかりすぎる」と同会長。「太平洋には最大のゴミの島が浮かんでいる。それを奨励したいのか?」と語気を強めた。

 日本でも、今年の夏の甲子園から「クーリングタイム」が導入されるなど、酷暑の影響を実感する機会が増えている。しかし、世界にはより逼迫した死活問題に直面する人々がいる。WAは、国際大会という舞台を活用して、その状況を世界に発信しようと今回の会見を開いた。2025年の開催地となる東京にも、当然イニシアティブが求められるだろう。

「人類の未来は、今日の我々が何をするかにかかっている」

 報道陣の方を真っ直ぐ見て語りかけたブディエール会長の言葉には重みがあった。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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