18歳・池江璃花子は何が進化したのか 恩師が語る「3cmの成長」に見た覚醒の理由
リーチが3センチ伸びて186センチに、進化した広背筋が泳ぎにもたらすもの
「とにかく広背筋が大きくなりましたね。背中が分厚くなったというか、そこは大きな変化だと思います。手の長さ、リーチという部分も彼女は身体的な特長です。今は両手を広げて中指から中指までの長さが186センチです。腕が伸びたという成長よりも、広背筋の強化がその理由だと思います。筋肉が発達したことで、より広げることができるようになった印象です。広背筋が水をかく動作で大事な部分です。大胸筋を使って手を入水させた後、広背筋で掻きながら引き上げるイメージです。広背筋のパワーアップは水をかく際の強いパワーにつながるのです」
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広背筋とは肩甲骨の下から骨盤まで逆三角形に背中に広がる筋肉。最も面積の広い筋肉だ。両手を広げた長さが昨年の183センチと比較して成長。単純に3センチ、腕が長くなったのではなく、広背筋の強化による成果と木場氏は分析している。そして、分厚さを増した広背筋のパワーを最大限に生かすことが、体幹の土台になるという。
「池江選手の場合には体幹がしっかりしているので、広背筋に100%近いパワーを伝えられる状態だと思います。腕の振りが速くなった上、ブレもないので、水の抵抗を受けずに推進力につなげることができています。体幹の捻転力の強さと腕の遠心力が、池江選手の美しいフォームと今の強さにもつながっています」
木場氏はこう分析している。しなやかで、力強く、美しい泳ぎこそが池江スタイル。日本記録を次々に塗り替えているシンデレラガールは中学3年からスタートした、中・長期的な肉体改造が素晴らしい仕上がり具合を見せている。
「池江選手にとって、目標は2020年の東京五輪で金メダルを獲ること。このまま順調に伸びていってもらいたいです」
2年後に迫った自国開催の五輪で金メダルも期待される池江に、木場氏は優しい眼差しでエールを送っていた。
(THE ANSWER編集部)