高校サッカーが生む「怪物FWいる」 北嶋秀朗も実感、選手権の力とカオスな部活の環境
壁の先に見た景色と名パートナーに出会えた幸運
そしてプロ4年目、北嶋は西野体制で18点を叩き出した。壁を乗り越えたのだ。
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「(3年目で)Bチームに行かせられた時、西野さんは『これで這い上がることができなかったら、それでいい』って話していたのを、後からコーチに訊きました。指揮官に覚悟があったんだと思います。(4年目は)西野さんに責任を背負わされるようになりました。責任を背負った時に強いって思われたのか。『PKキッカーはお前な』とか、『0-1で負けたら、お前のせいだから』とか。どんどん要求されて(笑)。それで発奮しました」
ストライカーとして、パサーに巡り合えた幸運もあった。
「10番の大野(敏隆)がいたのは大きいですね。18点も、半分はあいつのアシストで。全部、合わせてくれました。自分は足が遅いんですが、なぜか大野からのスルーパスは受けられたんですよ。他のパサーはタイミングを待てないんでしょうけど、絶妙に自分に合わせてくれていました。大野がいたから、ストライカーとして輝けたんだと思います。FWは、相性のいいパートナーがいることがやっぱり重要ですね」
結果を叩き出した北嶋は、日本代表にも初めて選ばれている。壁の先で大きな一歩を踏み出したわけだが、再び試練を迎えるのだ。(文中敬称略)
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)