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教員養成の国立大で学業と両立 日本一を狙う軟式野球部、学生主体に大人がいる意義

畠山和也監督は東北地区大学軟式野球連盟理事長を務めるなど、競技の普及に尽力している【写真:川浪康太郎】
畠山和也監督は東北地区大学軟式野球連盟理事長を務めるなど、競技の普及に尽力している【写真:川浪康太郎】

大学の学生主体のチームにある危うさ

 監督就任後も大学職員の仕事を続けており、練習に顔を出すのは土日が主。教員養成の国立大のため、選手たちは学業との両立を求められることから、全員がグラウンドに揃う機会はそれほど多くない。

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 グラウンドで学生と接する際は一人ひとりとじっくり話し、「やるべきことを明確にすること」「一度言ったことを継続的に言って浸透させること」を意識している。実際に宮城教育大の練習に足を運ぶと、選手たちに満遍なく話しかける畠山の姿があった。技術的なアドバイスを送ることもあれば、談笑しながらともに体を動かすこともある。監督というよりは「先輩、お兄さん」のような雰囲気だ。

 一方で、学生の考えを尊重することも忘れない。「私が100%正しい人間ではないので、なるべく自分たちで考えてもらう。ただ、人生を先に歩いている分、『このまま進むと間違ってしまう』とかは分かるので、時々微修正したり、道を戻したりしている」と自身のスタンスを明かす。

 さらにコロナ禍では、オンラインミーティングの機会も増やした。試合の前後だけでなく、学生のアルバイトが終わるのを待って夜中に開催することもあるという。オンラインであっても、意見を交わし合うことで、チームの方向性は定まりやすくなる。戦術が多岐にわたる軟式野球の特性上、チームを強くするためにもコミュニケーションは不可欠。選手間でそれぞれの考え、価値観を擦り合わせる作業を統率するのが大人の役目だ。

 学生主体のチームには危うさもある。大人がいないことで緊張感や真剣さが失われるケースがあるからだ。畠山は「遊びの延長のようになっているチームもまだまだある」と指摘する。「軟式野球をする目的や動機はそれぞれにあるので否定はしないが、競技を普及させる上ではある程度のルールを守ることは重視しなければいけない」との考えだ。

 軟式野球界全体のことを思うからこそ、東北地区大学軟式野球連盟理事長や東北選抜の監督も務め、宮城教育大にとどまらず、あらゆる大学の学生とのコミュニケーションを図ることでその考えを広めている。

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