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教員養成の国立大で学業と両立 日本一を狙う軟式野球部、学生主体に大人がいる意義

昨秋、宮城教育大軟式野球部を36年ぶりの全国大会出場に導いた畠山和也監督(35歳)。大学軟式野球は学生主体の運営が主流で、監督不在、または選手が監督を兼任する部が多いなか、10年間にわたりチーム作りに励んできた。学生スポーツの現場に監督、大人がいることの意義とは――。軟式野球に情熱を燃やす、35歳監督の指導者としての信念を語ってもらった。(取材・文=川浪 康太郎)

宮城教育大のグラウンドで練習する軟式野球部の選手たち【写真:川浪康太郎】
宮城教育大のグラウンドで練習する軟式野球部の選手たち【写真:川浪康太郎】

宮城教育大・畠山和也監督「本気の軟式野球」後編

 昨秋、宮城教育大軟式野球部を36年ぶりの全国大会出場に導いた畠山和也監督(35歳)。大学軟式野球は学生主体の運営が主流で、監督不在、または選手が監督を兼任する部が多いなか、10年間にわたりチーム作りに励んできた。学生スポーツの現場に監督、大人がいることの意義とは――。軟式野球に情熱を燃やす、35歳監督の指導者としての信念を語ってもらった。(取材・文=川浪 康太郎)

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 東北地区大学軟式野球連盟に加盟している10校(2校は活動休止中)のうち、選手ではない監督が指揮を執っているのは東北福祉大、東北学院大、宮城教育大の3校。「これでも全国的に見ると多いほう」と畠山は言う。

 東北福祉大を卒業後、宮城教育大の職員として働いていた畠山のもとにある日、軟式野球部の学生が訪ねてきた。東北福祉大時代の恩師である小野昌彦氏が、「俺の教え子がいるから訪ねてみろ」と声をかけた学生だった。

 この日の出会いがきっかけで監督に就任し、10年目の昨年、36年ぶりの全国大会出場を成し遂げた。全国大会では、大東文化大を5-2で下し全国初勝利を達成。準々決勝で駒澤大に敗れベスト8止まりだったものの、この試合でも計3度追いつく粘りを見せた。「全国で1勝し、達成感があると思っていたが、『もっともっとやるべきことがある』と悔しい思いが湧いてきたのは自分でも意外だった」と冷静に快挙を振り返る。

 宮城教育大も元々は学生主体のチーム。学生主体であることの意味は、学生が学生自身の考えを持てることにある。畠山は「高校までとは異なり、大人の目を気にせずにやることのやりがいを感じている学生が大半」とその意味を説明した上で、「監督がいることが、逆効果になってはいけない。『高校と同じだったな』ではなく、『監督がいてくれて自分の考えも持てるし、時には正しい道に導いてくれる』と思ってもらわないとメリットにならない」と力を込める。

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