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結婚、コミュニティ運営、指導者の夢 女子ラグビー鈴木彩香が引退後も切り拓く道

3人を中心に昨年立ち上げた女子ラグビーのコミュニティ

 その後も日本のトップ選手として代表をリードし、09年に7人制W杯に出場、12年からは7人制の強豪クラブ・アルカス熊谷が拠点とする立正大の大学院に進学。17年の15人制W杯などを経てキャリアを積み上げてきた。15人制の代表キャップは18。30キャップを超える女子選手も出てきた時代だが、五輪やワールドシリーズなど多くの国際大会に出場した7人制とのハイブリッドで活動した影響だ。両方のカテゴリーで、ともに中心選手として活躍する選手は多くない。そんな女子選手として様々な経験を積んできた彩香さんも、後輩たちの成長には目を見張り、これからの女子ラグビーに期待を込める。

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「実際に国内大会で、若い選手がどんどん上手いラグビーをしていくのを見て、本当に環境が変わったなと思いますし、そういう環境のなかで(日本代表が)世界で台頭していくようなチームになっていくんだなという思いもあります。15人制でも、これから国際的にテストマッチが行われていくと聞いていますし、7人制もオリンピック、ワールドシリーズと大会に参加する機会が増えたことはとてもいいことだと思います。ラグビーは本当に素晴らしい競技なので、それを女性がハードワークしてやることは、私自身が見ていても美しいなといつも思っています。日本の女性は小柄かもしれないし、体格的に劣るかもしれないですけど、それを言い訳にせず、自分たちの強みを引き出し、発揮できるような、そういう世界に今後なっていってほしいと思う」

 彩香さんの後に続く選手を応援したいという思いは、自身のこれからのチャレンジにも繋がっている。

「自分が学ばせていただいたことや、今後やらないといけないこともたくさんあるので、サポートしていただいた皆さんのご恩を忘れることなく、今後は女子ラグビーの普及と発展に、自分ができることを最大限やっていきたいと思います。WRCでの活動を軸に、いろいろなことに挑戦しながら、鈴木彩香としての可能性を広げていきたい」

 WRCは、同じ元15人制日本代表の福島わさなさん、7人制で活躍する小出深冬(アルカス熊谷)らと一緒に、昨年立ち上げた団体だ。

「私が競技者として終盤になった時、プロとして活動する一方で何か女子ラグビーに恩返しできないかと感じていました。そのなかで、選手が主体となって自分たちの環境をより良くしていくことが今後は必要なんじゃないかなと思った時に、このコミュニティを設立しました。同じ思いを持つメンバーとともに、様々な年代の選手、カテゴリーだったり、トップレベルだけじゃなくエンジョイでやっている選手だったり、いろいろな選手たちの話を聞きながら、コアメンバーの3人と関係者でディスカッションを積み重ねて、組織のビジョン、ミッションを作りました」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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