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関西人の気質はアタッカー向き? スペインの育成が示唆する“サッカーと地域”の関係性

日本でも感じる地域ごとのサッカーの特徴

「サッカーって地域に文化があると思います。個人的には、そこはとても大事にしたほうがいいと思っていて。大阪に久しぶりに戻ってきて、“大阪には大阪のサッカーがあるな”と感じています。放り込んでのパワープレーだったり、引き込んでのカウンターだったり、というのはなかなか受け入れられない。そうなると、攻撃も守備もアグレッシブに挑むべきで、それができる選手が出てこないといけない必然があるんです」

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 特にG大阪の育成では、サイドからゴール方向に崩す、仕掛ける選手が多く出ている。

「ボックスに近づくほど、うちの選手たちの良さが出ますね。(G大阪ユースは)基本、そういう練習が多いし、意識してやっています。サッカーはまず個人があって、次にグループ、チーム全体があって。とにかく個のところでボールを奪える、はがせる、ゴールを奪える、というのが“大阪の血”なんだと感じるんです」

 森下監督はそう説明するが、地域性は強く出る。東京、関西以外でも変わらない。例えば九州からは、フォワード(FW)やセンターバック(CB)に人材を多く出している。単純に骨格的に強さを出せるのもあるだろう。一方、中盤で駆け引きをしながら戦況を動かすのは得意としない。

 それは一つのイメージにすぎず、いくらでも例外はあるだろう。中島翔哉は東京出身だが、トリッキーなドリブラーと言える。しかしイメージが土壌となって、そこで育つ選手を形作るのは案外、本質と言えるのだ。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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