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自ら雑用に汗を流す日本ボクシング連盟会長 就任から4年、聞いてきた「現場の声」

内田会長の個人的な夢とは「関わる人全員に少しでも…」

 ゼロから作り直してきた日本連盟。内田会長は、元副会長の菊池浩吉氏(現理事)とともに事務局の雰囲気作りにも力を注いだ。新体制発足後は引き継ぎ期間や人手不足も影響し、全ての役員が入れ替わったわけではない。前体制から残る人もいたため、日本連盟内で講習会を開いたり、役員としての行動規範などをまとめた動画を共有したり、前体制下のメンバーに理解を求めた。

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 発足当初、風通しをよくするため、ミーティングは週4回ほど実施。会長のトップダウンではなく、「大切なコト・大事なコトは皆で話し合って決める」を徹底した。

「楽しく仕事できる環境作りに力を入れてきました。事務所の人たちは前向きに仕事ができる環境になったんじゃないかなと思っています。仕事が終わった後もみんなで食事に行く。どんな方向で日本ボクシング連盟を改善していくのか、変えていくのか。最初はご飯を食べながらやってきました。焼肉代とか、かなり高くついたんですけど(笑)」

 大勢で力を合わせても、まる一日かかるリング設営。ジャージ姿で現れた内田会長に、「会長がリングを組むんですか?」と驚いた表情で聞いてくる人もいる。昼休憩を挟んだ午後には人が増え、最終日の撤収時はもっと多く集まっていた。「全国の情熱がある方々によって支えられています」と会長は目を細める。

 まだまだ課題があることは理解している。そんな第13代会長に、組織のトップとしてではなく、個人的な夢を聞いた。宮崎訛りの言葉が熱を帯びた。

「関わる人全員に少しでも楽しみをつくることですね。いろんな方がいますが、それぞれに楽しみができないと活性化しないと思うんです。それぞれが楽しまないと、やっぱり競技人口も増えていかないし、長続きしないですよ。ただ、会場に行くだけでは楽しめない。

 高校の指導者では『自分の教えた選手を世界に出したい』という方もおられます。それぞれ目標があって、それぞれ楽しみがある。近い将来、選手、指導者、審判の方それぞれが夢を持って取り組める団体にしたい。楽しみをどういう形で見つけていくのか。その環境をどう作っていくのか。それがこれから連盟に求められていくんじゃないでしょうか」

 リング設営に汗を流した時、嬉しかったことがある。15年前までボクシングをしていたという人に言われた。

「こうやってみんなでボクシングができるなら、もう一回連盟に戻ってこようかな」

 日本連盟に新しい風が吹いている。

【前編】「国体毎年開催」を叶えた日本ボクシング連盟 任期満了する内田新体制、4年間の闘い

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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