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渋野日向子も尊敬、西郷真央が示した抜群のマネジメント力 現場で衝撃受けた20歳の凄み

22日まで開催された国内女子ゴルフツアーのブリヂストンレディスは、西郷真央(島津製作所)の優勝で幕を閉じた。西郷は直近2週連続予選落ちだったが、師匠・尾崎将司によるスイング修正でショットが復調し、ツアー史上最速の出場10戦5勝を達成。だが、何より光ったのは、コースマネジメントだった。状況に応じ、ボールをグリーン手前に置く選択ができる20歳。その凄みを示した4日間だった。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

トロフィーを手に笑顔を見せる西郷真央【写真:Getty Images】
トロフィーを手に笑顔を見せる西郷真央【写真:Getty Images】

ブリヂストンレディスで今季5勝目

 22日まで開催された国内女子ゴルフツアーのブリヂストンレディスは、西郷真央(島津製作所)の優勝で幕を閉じた。西郷は直近2週連続予選落ちだったが、師匠・尾崎将司によるスイング修正でショットが復調し、ツアー史上最速の出場10戦5勝を達成。だが、何より光ったのは、コースマネジメントだった。状況に応じ、ボールをグリーン手前に置く選択ができる20歳。その凄みを示した4日間だった。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

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 大会第2日のラウンド後、西郷の発した言葉に衝撃を受けた。

「前半はショットが良かったです。ただ、後半(全てパー)はバーディーチャンスにつけられませんでした。グリーンの付近だけ違う風が吹いていたりしたので、グリーンの手前にボールを置くこともしました。それはマネジメントとして良かったです」

 敢えてグリーンに乗せない選択……。確認のため、「その狙いを教えてください」と質問すると、西郷はこう返した。

「風がどっちで吹いているか微妙になって、(手前か突っ込むかで)勝負をしないといけない2択の時は、手前に置くというジャッジです。なので、今日はそこからアプローチ、寄せワンが多かったですね」

 西郷はグリーン付近の風を読む方法として、「ピンフラッグと周辺の木々を見ています」と話している。それを習慣づけながらも、「読み切れない」時は、「寄せワンのパーでいい」と割り切る。ただ、この判断ができるのは、アプローチ、パットへの絶対的な自信があるから。数多くのプロゴルファーを取材してきたが、ここまでのコメントは聞いたことはない。

 くしくも大会初日、渋野日向子はピンが奥にあるグリーンへのショットをオーバーさせ、ボギーにしたことを悔やんでいる。「(グリーンの)奥に外しちゃいけんのに外しました。『ピンの手前10メートルでもいい』という気持ちがなかなか持てなかった。欲に負けました」。第2日も、同じミスをして「クラブ選択を間違えました。『何回、同じことをやるんだよ』と思いましたし、切り替えるのに時間がかかりました」と言った。

 西郷のプレーについて感想を問われた渋野は、「去年から『何で勝っていないの』と思うくらい強い選手ですし、1回勝ったらナンボでも勝つと思っていました。私も最終的には、フェアウェーキープ率もパーオン率も高い西郷さんのようなゴルフをしたいと思っています」と返しており、一目置かれている。

 西郷自身は優勝会見で、スイング動画を日々、スマートフォンで撮って保存し、気になった点をメモしていることを明かした。「マネジメントに関するメモ」についても、「プロになって1年目は考え方が未熟だったので、攻め方や風が吹いた時の対応などをメモしていました」と言った。文字通り、努力の賜物だ。

 師匠の尾崎は西郷について、「ゴルフ脳はトップ」と表現しているが、正直、「ここまで考えているのか」「こんなこともできるのか」と感じさせられた。全米女子オープン(6月2~5日)を皮切りにした初の海外挑戦でも、西郷の力が存分に発揮されることを期待する。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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