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浅田真央が新たな伝説を作った日 失意のSP16位から復活、過去最高点で“恩返し”の涙

五輪2大会を合わせて「すべて達成できて満足」

 それでも浅田はリンクから離れなかった。ただただ高みを思い描いて目指した。誰もが認める練習量とともに、スケートと真摯に向き合ってきた。その過程を知るからこその、多方面から送られたエールだった。

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 試合から時間を置き、浅田は「メダルを獲れなかったことは悔しいです」と言う一方で、こう語っている。

「ソチだけで言えば、ショートでミスして悔いが残りました。バンクーバーではフリーをミスしたことで悔いが残りました。でも2つを合わせて考えると、すべて達成できて満足です。オリンピックでしか返せないものを返せました」

 思いを1つ、成就した大会でもあった。

 激流のようなショートプログラムとフリーを演じた浅田は、その2つについて、「天と地の差でした」と表している。

 長年の積み重ねで培った土台、その努力の様によって得た励ましとともに、「地」のままでは終わらず「天」へと昇りつめた浅田真央。そのフィギュアスケートへの情熱は、ソチ五輪を終えても薄れることはなかった。

(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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