中国が見逃している「サッカーの本質」 エリート選手に欠落する“重要な資質”とは
集団の概念は重要だが“仲良し”ではない
ラ・マシアでは同じポジションで同じような役割を託された選手が、各カテゴリーで育っている。「枠にはめることによって個性が奪われるのでは」という危惧があるだろうが、心配には及ばない。選手はそれぞれキャラクターが違うだけに、同じポジションで似た系統の選手であっても、選手同士でボールプレーを重ねることで、個性は濃厚に出るものだ。
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事実、グアルディオラの系譜であるポジションには、シャビ・エルナンデス、イニエスタ、セスク・ファブレガス、チアゴ・アルカンタラ、セルヒオ・ブスケッツがいるが、トップチームに昇格後は各自、色合いが異なる選手になった。いずれもプレー自体を変化させ、ポジションを革新させ、チームにダイナミズムを与えているのだ。
ただし、集団と個人の捉え方には注意点もある。
サッカーでは集団の概念が重要だが、“仲良し”が大事なことではない。有力なチームには必ず、ややチームからはみ出している者がいる。彼らのような不服従の個人も内包できるかで、集団としての撓みが出るのだ。
「Mala Leche」
スペイン語で直訳は「腐った牛乳」になるが、「人としての感じ悪さ」の意味になる。彼らはなれ合わず、独自の行動をするが、それは集団に対して刺激や緊張感を与える。おかげで集団は小さくまとまらず、外側に対し、戦闘態勢を取れるのだ。
「共闘」と「仲良し」は同義ではない。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)
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