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東京五輪まで3か月 ラグビー7人制男子代表、メダル獲得へ乗り越えるべき2つの課題

久々国際大会、第2週は8チーム中7位も…HCは前向き「ボールの確保はできるように」

 宿舎や試合会場での徹底した隔離状況の中で進められた大会は、無事9日に閉幕。13日の時点では感染の報告がないことを考えると、すでに開催準備が進められる6月のロサンゼルスでの男女7人制イベントなど、五輪へ向けて複数の国際大会が開催される可能性が高まっている。岩渕HCも「7人制代表としてはオリンピックへ向けて、このドバイだけではなく、いくつかの国際経験をしたいと思っている。そういった観点も踏まえて、今回の経験を生かしていきたい」とオリンピック前に可能な限り、国際大会に参加することを目指している。

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 では、1年近く国際試合から離れていた日本代表の強化、実力はどんな段階なのだろうか。今回のドバイでの大会の戦いぶりから考えてみたい。ドバイに集まったのは、男子は8チーム。その中で日本は第1週が4位、第2週は7位という成績だった。

▼第1週
リーグ戦 ●21-45 カナダ
リーグ戦 ●14-31 アルゼンチン
リーグ戦 〇19-12 ウガンダ
準々決勝 〇15-12 スペイン
準決勝  ●5-24 アルゼンチン
3位決定戦 ●14-31 ケニア

▼第2週
リーグ戦 ●21-26 フランス
リーグ戦 ●18-28 アルゼンチン
リーグ戦 〇21-12 チリ
準々決勝 ●12-29 カナダ
5位決定戦 ●19-24 ウガンダ
7位決定戦 〇28-14 スペイン

 1年ぶりの国際大会という難しさはあるが、それは他国も大きな違いはない。その中で、勝てる相手、勝てない相手がはっきりと分かれていることを考えれば、この結果と勝敗は、現時点での実力と判断していいだろう。

 岩渕HCは、選手、スタッフ共に固さがあったカナダとの大会初戦以外については「ボールの確保はできるようになっている。カナダ戦以外のゲームでは、ボールが獲れないということはなくなってきたのは、すごく前向きだと思う」と評価している。

 だが、多くの海外出身選手がいる日本代表でも、フィジカル面では強豪との埋めきれない差があるのは、この大会でも露呈している。相手にスピードと強度を持って勢いよくコンタクトされると、1対1で簡単に突破を許す場面、あるいは1人目をなんとか止めても、2人目、3人目のサポート選手に防御を崩され、トライに結び付けられるシーンが多く見られた。

 日本のチーム特性を踏まえて、同HCは高い運動量を駆使しながら勝負どころでは複数の選手が相手に襲い掛かる、小さな蜂が大きな相手と戦う“ビー・ラグビー”というイメージを掲げてチーム作りをしている。だが、今回のドバイでは、相手に集団でまとわりつく以前にゲインラインを簡単に突破されて大きくゲインされている。

 さらに、日本が密集戦を捨ててライン防御に人数をかけたシーンでは、相手チームは積極的にラックサイドの突破を仕掛けて、そのままトライに結び付けられることも少なくなかった。動画を見る限りは、相手チームは偶然のプレーの選択ではなく、日本の密集周辺の防御が薄まることも頭に入れながらプレーしているように見える。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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