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総合馬術・戸本一真が忘れない感謝の気持ち 五輪出場は「唯一できる恩返し」

新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、開催が1年延期された東京オリンピック・パラリンピック。開催延期の影響を受けた人は数知れないが、総合馬術でオリンピック初出場を目指す戸本一真(日本中央競馬会)もその一人だった。

戸本一真選手が「東京オリンピック出場」という最大の目標を追い続ける理由とは【写真提供:日本馬術連盟】
戸本一真選手が「東京オリンピック出場」という最大の目標を追い続ける理由とは【写真提供:日本馬術連盟】

東京五輪延期で「一旦リセット」 再び目指す「ホームグラウンド」での大舞台

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、開催が1年延期された東京オリンピック・パラリンピック。開催延期の影響を受けた人は数知れないが、総合馬術でオリンピック初出場を目指す戸本一真(日本中央競馬会)もその一人だった。

【特集】「東京オリンピック出場」という最大の目標を追い続ける理由 / 総合馬術・戸本一真選手インタビュー(GROWINGへ)

 1年程度の延期が決まったのは、2020年3月24日のこと。戸本はこの決定を、練習拠点を置くイギリスで聞いた。

「2月末くらいに、まずヨーロッパで予定されていた試合が全部中止になると決まりました。その当時は、2020年にオリンピックがあれば、なんとか代表に入れるんじゃないか、という位置に自分がいたので、オリンピックを開催してほしいという思いがすごく強かったのを覚えています。

 ただ、延期が決まった時は、周りの方々から『モチベーションを保って』『ここで気持ちを切らさないでね』と声を掛けていただくことが多かったんですが、自分の中では『一旦リセットしよう』と割とすっきり思えましたね」

 もちろん、残念な気持ちがなかったわけではない。だが、全世界の人々が直面しているのは、未曾有の感染症ウイルスだ。延期は「当然の選択だろうと感じました」と振り返る。

「自分の中では一旦リセットして、あまりオリンピックのことは考えずに、どこかのタイミングでもう1回スイッチを切り替えて集中しよう」

 上手く気持ちを切り替えながら、諦めずに「東京オリンピック出場」という最大の目標を追い続けているのには理由がある。自国開催というまたとないチャンスに、これまで支えてくれた人々への感謝の気持ちを伝えたいからだ。

「馬術のオリンピック会場は馬事公苑。そこに所属する私にとっては、ホームカントリーであり、ホームグラウンドで迎える大舞台なんですね。なので、まずオリンピックに出場すること。そのことが、今までサポートして下さった方々に対する、私しかできない感謝の示し方だと思うんです。

 馬術もそうなんですけど、どんな個人スポーツであってもチーム戦だと思うんですよね。馬術は最終的に馬場の中で競技をするのは1組の人馬だけ。でも、その舞台に立つまでには、普段から厩舎でエサをあげるスタッフや獣医さん、馬に蹄鉄を施す装蹄師さん、トレーナーさん……みんながチームとなって向かうスポーツなんです。オリンピックに出場して、いい結果を残す。これが関わった全ての方の目標であり、選手にとっては唯一できる恩返しであり、みんなが喜んでくれる感謝の仕方だと思うんですよね」

 自分も馬も、数多くの人々に支えられながら大会に出場している。だが、「日の目を浴びるのは選手だけなんですよね」。だからこそ、オリンピックの舞台に立ち、好成績を残して、みんなに感謝の気持ちを伝えたい。

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