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ボクシング界で新たな試み 日本人王者が100日実践した“最先端”コンディション管理

オンライン指導をスムーズに可能にした「ONE TAP SPORTS」の効果

 オンラインによる指導をスムーズにしたものが、前述の「ONE TAP SPORTS」だ。コンディション機能・インジュリー機能などで構成され、試合や練習を通じて得られる行動データに加え、食事メニュー、怪我の状態などを組み合わせて分析を行い、指導者が選手へ適切な指導、アドバイスを行うようにするもの。アスリートのコンディションなど、さまざまな情報を「見える化」し、ラグビーをはじめ、日本代表で26競技、プロチームを中心に国内外で71競技、1700チーム以上に導入されている。

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 栗原が日々のコンディションを「ONE TAP SPORTS」に入力。そのデータを佐々木氏がモニタリングし、コンディションと照らし合わせて毎日の練習量と次回のトレーニング負荷量を管理した。栗原自身も「『ONE TAP SPORTS』を使うことで疲労や成長がデータとして見え、とても分かりやすく、コーチから説明してもられることでより安心して試合に臨めている」という。

「記録やデータは基本的に嘘をつかない」という佐々木氏は「データが一元管理され、見たい項目が一瞬で表示されることも非常にありがたい。昔だったらS&Cコーチは“エクセルの達人”ともてはやされるほど、データ収集・集計・編集を駆使していましたが、本来S&Cコーチの仕事はエクセルを扱うことではなく“コーチング”なので、それに集中できる時間が増やせることは大きなメリットです」と強調。「今回のコーチングを通じて、選手たちが日々積み重ねてきたこと、つまり彼らの『努力の数値化』が非常に大事だということを再認識しました」と言い、取り組みを振り返る。

「栗原選手の場合、ヘキサバー・デッドリフトという種目で10月のコーチング開始当初105kgを挙げていましたが、12月には130kgまで記録を伸ばしました。垂直跳びのような動作を行うカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)という種目では46~49cmだった記録が、年末には最高55cmに到達。トップアスリートとはいえ、自分に疑念を抱くこともありますが、そういう時、今まで自分がやってきたことや変化がグラフなどで可視化されてパッと見られるのは非常に大事で自信にもつながります。選手とコーチがデータを見ながら会話することができ、説明の助けにもなり目標も立てやすいです。

 また、データが一つのデータベースにあるので安全という見方もできます。今まであれば、S&Cコーチやアスレチックトレーナーが選手の個人情報を自身のUSBやラップトップで持ち歩くことも珍しくありませんでした。特に私の場合、選手個人の医療データを預かることが多いため、このような情報の取り扱いには非常に気をつけなければなりません。また以前のようにデータを管理するS&Cコーチやアスレチックトレーナーが替わっても、データを1から取り直す必要もありません。『ONE TAP SPORTS』で管理されていれば、誰が抜けてもデータにアクセスすることが可能です」

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