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「打ちづらい球」は作れる? 話題のオンライン野球サロン4人の「ピッチング論」

「参考にすべき投手」に挙がったオリックス・山本、侍ジャパンでも活躍している【写真:Getty Images】
「参考にすべき投手」に挙がったオリックス・山本、侍ジャパンでも活躍している【写真:Getty Images】

「打ちづらい球」で参考にすべき投手、挙がったのは「オリックス・山本由伸」

――「打ちづらい球」を作る上で、参考にしてほしい投手はいますか?

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小山田「オリックスの山本由伸投手の体の機能は見習ってほしいですね。子供も参考になると思います。山本投手はモビリティにとても気を遣っていて、そういう発想があれば、怪我をしないとは言い切れませんが、自分がやったように体が硬くなったシワ寄せが肩、肘に行くことは防げると思います。彼がやっているブリッジなどのトレーニングの発想は参考になりますね」

内田「日本人で好きなのはソフトバンクで活躍した斉藤和巳さんですね。まっすぐとフォークが同じ地点から伸びたり、落ちたりする。シーズン20勝も今思えば納得の球だったと思いますし、投げている球の質は理想です」

お股ニキ「今のメジャーのトップレベルの投手も基本的にタイプが一緒です。それこそ斉藤和巳さんみたいに、浮き上がるストレートにスラット、スプリット、チェンジにカーブをたまに投げる。バーランダー、デグロムの能力を参考にして欲しいと言っても普通はできませんが、持つべき球種、投げるべき球としては参考にしてほしいと思います。細かくいろんな球を投げたり、打たせて取ろうとしたりを変に考えすぎなくていいと感じます」

内田「今、挙がったような投手はメカニクスのレベルも凄く高いですよね。池田さんが好きなタイプです」

池田「MLBで何度もサイ・ヤング賞を獲っているような投手はメカニクス的に何の問題もない。逆に、日本人のトップレベルの投手の特徴は短命であること。そう考えると、メカニクスの部分でちょっとズレている部分が原因なのかもしれません。体を生かして、かつピッチングのメカニズムとして最強というのがサイ・ヤング賞を獲り続けているような投手だと思います。あとは40歳を超えてサイ・ヤング賞、MVPを争うような投手も参考にすべきだと思います。日本人ではやはりオリックスの山本投手は自分の筋力をフル稼働して運動連鎖を作り、投げる面に関してはトップクラスの投手だと思います」

 ○…NPBが19日に開幕することを受け、4人に今シーズン注目の投手も挙げてもらった。お股ニキさんは「NEOREBASEに入っている選手は全員注目です」とアピールした上で「なかでも、ソフトバンクの東浜投手はすごく良い状態。ソフトバンクの板東投手、巨人の太田投手もイメージ通りの球を投げられている印象」と語った。内田さんは同じく「NEOREBASE」に参加しているソフトバンクの2年目右腕・杉山をプッシュ。「個人的に頑張ってほしい投手。自分が実際に見た投手では、大学の先輩の日本ハム・有原投手以来の怪物だと思いました。『NEOREBASE』の参加者であることは抜きにしてもスケールが大きい。今年楽しみです」と話した。

 小山田さんは開幕を目指しているMLBからカブス・ダルビッシュ投手を挙げ、「オープン戦から90マイル後半(約150キロ台中盤)が出ていましたし、フィジカル、技術、メンタルすべてがかみ合っている状態に見えます。昨年の終盤以上のとんでもない成績になるのではないかと思います」と期待した。池田さんはブルージェイズでメジャーデビューを目指している23歳右腕、ネイト・ピアーソンをプッシュ。18年の若手オールスターに出場した頃から注目していたといい、「『これは来る』と思った投手。163、4キロを投げますが、メカニクス的に理に適った投げ方をしているので、怪我のリスクは低いと思います」と独自の視点で語った。

(第3回へ続く)

■池田則仁 1991年生まれ。29歳。水戸商(茨城)1年当時に腰の故障により、野球を辞めた。卒業後は米国の大学を経て、日本の大学に再入学。在学中から教員と野球指導者を志し、都内のジム「ティップネス丸の内スタイル」でトレーナー業に従事。同時に独学で野球のパフォーマンス研究を始めた。ストレングス、モビリティを専門として投球、打撃のフォーム指導を行い、現在は約20人のプロ野球選手を担当。内田も教え子に当たる。現役時代のポジションは捕手。

■小山田拓夢 1992年生まれ。28歳。古河三(茨城)3年夏は最速146キロ右腕として注目を浴びたが、茨城大会1回戦敗退。早大では1年秋に最速152キロを記録した。4年間でリーグ戦登板は2年秋の1試合(1イニング)のみ。卒業後はクラブチームの伊達聖ヶ丘病院でプレーしたが、右肘を故障し、トミー・ジョン手術を経験。BCリーグ・武蔵の選手を経て、現在はトレーナー業をこなしながら、トレーニングを研究。ダルビッシュも絶賛するトレーニングマニア。今季最速は148キロ。

■内田聖人 1994年生まれ。26歳。早実(東京)2年夏に甲子園出場。早大1年春に大学日本一を経験。最速150キロを誇ったが、3年で右肘を故障、以降はイップスも経験。JX-ENOEOSは2年で勇退となり、以降は社業の傍ら個人でトレーニングを1年間継続。翌19年に米国でトライアウトを受験し、2Aクラスの独立リーグ・キャナムリーグのニュージャージー・ジャッカルズと契約し、退社。1か月で退団となり、今年から指導者に転身。個別指導の他、高校、大学とも複数契約。

■お股ニキ 野球評論家、ピッチングデザイナー。野球歴は中学まで。2010年から「お股ニキ」のアカウント名でツイッターを始め、野球にまつわるデータ、映像を独自の視点で分析して投稿。その内容にダルビッシュが興味を示し、以降は「プロウト(プロの素人)」として多くのプロ野球選手も注目する存在に。昨年は初の著書「セイバーメトリクスの落とし穴」(光文社)を上梓し、今年5月には4冊目となる「データ全分析 ダルビッシュ最強投手論」(宝島社)を発売。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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