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日本代表の強化にも追い風 ワールドラグビーが構想する“ティア2世界大会”とは

ティア2大会実現なら、日本代表におけるメリットとは?

 WRとしては、ティア2チームの競技力向上を狙い、6か国対抗のように同じレベルの国同士が継続的に試合を行う環境を作ることが目的なのだろう。厳しい現実を見れば、ティア1チーム同士の対戦なら1試合で億単位の収入を両チームが手に入れることができるのに対して、ティア1とティア2の対戦では商売にならない。チームの強化にもメリットがないと判断されれば、試合を組む必要を感じないのは当然のことだ。

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 では、日本はティア2大会に参画するべきか否か。前述した「ティア1とティア2の中間」という評価が示す通り、海外でも日本代表はすでにティア2のレベルではないという評価もある。忘れてはいけないのは、エディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフという日本代表の強化を推し進めた指導者たちは、ティア1の強豪国に胸を借りることがチーム強化には欠かせないという認識だったことだ。

 ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(HC)が率いた2010年には試合もなかったティア1との対戦が、ジョーンズHC就任2年目だった13年には4試合に増加。W杯で南アフリカを倒した後の16年からも3年連続で4試合を組み、W杯8強入り後の今年のティア1マッチは、正式決定を待つ段階のニュージーランド戦も含めると6試合に達している。

 一方で、日本代表の昨季まで3シーズンのティア2国との対戦成績は9戦全勝。現状での実力差は明白だ。次回W杯で4強以上を目標に掲げる日本代表のさらなる強化のためには、ティア2よりもティア1との対戦増加が重要になる。

 代表チームによるテストマッチは近年WRが統括する傾向が強まっている。いまやWRの承認を得ずに対戦を組むことは難しく、マッチメーク自体もWRが主導的に行っているのだ。もし日本代表がティア2諸国による選手権に参加することを理由に、ティア1との対戦機会を減らしてしまうような事態は回避しなくてはならない。

 ティア2大会が日本のラグビー界にメリットがあるとすれば、やはり若手選手育成の場としてだろう。歴代日本代表の強化を振り返ると、どうしても正代表の強化に主眼が置かれ、次世代の選手育成・強化は資金、時間とも潤沢とはいえない状況が続いてきた。ここ数年のジュニア・ジャパンの活動をみても、年に1度、フィジーらのA代表と対戦する3月のパシフックチャレンジでチームが編成される程度で、その顔触れもU20代表の世界大会へ向けた強化を目的に20歳以下の選手を中心に選ばれている。準日本代表の強化は十分には取り組まれていないのだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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