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世界で通用する選手とは? G大阪アカデミーが取り組む「人としての成長」への投資

大切なのは選手が「正しい努力の仕方を知ること」

 ブンデスリーガで育成クラブとして最高レベルの評価を得ている、SCフライブルク育成ダイレクターのアンドレアス・シュタイエルトが話してくれたことがある。

「僕らは子供たちを『選手』としてだけ見がちだ。でも彼らは学校に行けば『生徒』になり、家に帰れば『息子・娘』となるんだ。それぞれのカテゴリーごとに違う顔を持っている。そしてそのどれもが大事なんだ。可能な限り『普通な時間』を過ごせるように配慮することが欠かせない。友だちと遊ぶ、1人で部屋でくつろぐ、家族で食事をとる。そのすべてが、成長になくてはならないものなんだ」

 夢を見ることは大事なことだ。夢に向かって努力することはかけがえのないことだ。でもそのためには正しい努力の仕方を知ることが必要だろうし、十二分に正しい努力をするための環境作りも大事だ。努力をするとは、無理をするということではない。二宮の話からは、人の成長に大切なことについて改めて考えさせられた。(文中敬称略)

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■二宮 博(にのみや・ひろし)

 1962年生まれ、愛媛県西予市出身。中京大卒業後、西予市の野村中学校の保健体育教員を経て、94年にG大阪のスカウトに転身。強化部スカウト部長、アカデミー本部長、普及部部長などを歴任する。2021年2月よりバリュエンスホールディングス株式会社に入社(現在の役職は社長室スペシャリスト)。

(中野 吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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