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オーバートレーニング症候群と鬱病だった元陸上800m女王 日本5位まで戻ってきた「奇跡」の1年間

決勝スタート直前の北村、症状を公表した理由とは【写真:奥井隆史】
決勝スタート直前の北村、症状を公表した理由とは【写真:奥井隆史】

症状を公表した理由「公表には勇気が必要。でも、誰にでも起こりうることで…」

 オーバートレーニング症候群は、疲労が十分に回復しないまま積み重なって引き起こされる慢性疲労状態。人によって違いはあるが、全身の倦怠感、睡眠障害、食欲不振などの症状がある。北村は直接診断を受けたわけではないが、今思う原因について「あの時はちょうどPMS(月経前症候群)が酷くて、それも関係してるのかなと。いろいろと重なったのだと思います」と振り返る。

 休養前は週に3回ほど強度の高い練習を取り入れていたが、現在は1回。もしくは「2回入っていれば十分」と思えるようになった。「若い時はそれ(練習量)が自信になったけど、もう27歳なので(笑)。同じ練習をやっていると体がしんどくなる」。練習1本の質を上げることを大切にした。

 今も精神的に不安定になることはあるという。1か月前もそうだったが、2大会を欠場して1週間休養する方針を取った。昨年の3か月間があったことで生まれた選択肢だった。「陸上でいっぱいいっぱいになると、どうしても考え込んでしまうので。プライベートと陸上を切り離しています」。周囲の理解もあり、抵抗感なく休ませてもらえている。

 オーバートレーニング症候群。スポーツ界を中心に耳慣れた言葉だが、その症状、原因、改善法などは詳しく知られていない。練習再開後の昨年8月、北村はインスタライブで1時間にわたってファンの質問に答え、自身の経験を明かした。当時の動画は今もアカウント内で見られるようにしている。

「公表には勇気が必要だと思います。でも、誰にでも起こりうることですし、オーバートレーニング症候群はあまり日本では聞き慣れない病名だと思うので、広められたのならよかったです。気づいていない方もいて、『もしかしたら私もそうだったのかも』とか、たくさんの声をいただきました。そういう人たちのためにも情報提供できたのなら、気づいてもらえたのなら良かったと思います」

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