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「寝る間も惜しんで頑張る」は美徳ではない 睡眠不足が選手の技能習得に及ぼす悪影響

幼少期からの睡眠時間が「健康や人生に大きな影響を及ぼす」

 欧州では夏はバケーションの時期なので、スポーツの活動は一切中断する。だが日本では、逆に夏休みに活動を詰め込む。彼我の違いはもちろんだが、同じ日本国内で活動をしていても、夏にしっかりとオフを取ったり合宿中の練習の合間に昼寝を取り入れたりするなど休養を意識するかどうかで、秋口には成長の違いが歴然とする傾向が見て取れる。

「幼少期からしっかりと睡眠を確保できてきたかどうかで、成長ホルモンや眠りのホルモンであるメラトニンの分泌量も変わってきます。『もう少しサイズがあったらプロでやれたのに』などと残念なケースを招きかねませんし、何より健康や人生そのものにも大きな影響を及ぼします」

 矢野はスポーツ界を中心に睡眠の重要性を説くことで、「親御さんたちにもメッセージが届き、スポーツがレベルアップして医療費が抑えられる社会作りに貢献できれば」と考えている。

(第2回へ続く/文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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矢野達人

アスリートスリープコーチ(上級睡眠健康指導士) 
総合医療グループで病院や老人ホーム、スポーツジム等の運営に携わると、大阪で睡眠に特化したサロン「快眠ほぐしサロンすいみん」や「スリープクリニック」を運営。一般社団法人オルソスリープアカデミーの代表理事兼代表講師を務め、「アスリートスリープコーチ講座」や睡眠医療から生まれた究極の回復療法「メディカルスリープヘッド講座」を展開する。世界的スリープコーチであるニック・リトルヘイルズ氏と国内独占契約を結んでおり、今春から兵庫県相生学院高校サッカー部のスリープコーチに就任した。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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