創設10年でJリーグ下部組織に匹敵 “LAVIDA→昌平高校”で実現する6年間の選手育成
今春にはLAVIDAの14選手が昌平高校に進学
2年目に久喜市のあけぼのFCから好選手を送ってもらい、戦えるチームに成長。鹿島のMF小川優介、アルビレックス新潟のFW小見洋太の4期以降は才能の宝庫である。
ともにギラヴァンツ北九州の平原隆暉と井野文太の両MF、福島ユナイテッドのDF八木大翔が5期生で、4月のU-19日本代表候補に高体連から唯一選ばれ、FC東京へ来季加入予定のMF荒井悠汰と鹿島入りが内定している主将のDF津久井佳祐が6期。7期のFW小田晄平とDF石川穂高は3月にU-17日本代表入りし、8期のDF上原悠都はU-16日本代表として、10月9日までヨルダンで行われたU17アジアカップ予選に出場した。
現在中学3年の9期生、MF山口豪太はU-16日本代表として5月のルーマニア、8月のウズベキスタン両遠征に中学生で唯一選ばれ、MF長璃喜は3月と8月のU-15日本代表候補合宿に参加。年代別の日本代表は14人を数える。
山口は昌平の一員として、4月9日のプリンスリーグ関東1部、東京・帝京高との開幕戦に途中出場し、8月のユースワールドチャレンジ・プレ大会には全3試合でピッチに立った。「LAVIDAは自分の特長であるドリブルを活用できてすごく楽しい。ひと振りで射貫く左足シュートには自信があり、将来はJリーグと海外クラブで活躍するのが夢です」と、プレーの鋭さとは対照的にゆったりとした口調の穏やかな選手だ。
帝京高戦の先発と交代出場した5人のうち、4人がLAVIDA出身で、4強入りした今夏の全国高校総体(インターハイ)やプリンスリーグ関東もLAVIDAのOBを軸に編成している。
村松監督は昌平のコーチという立場から「LAVIDAの選手だから(起用する)といった感覚はまるでありません。他チームから入った特長のある好選手もいるが、あくまで競争した結果です」と述べる。
今春は上原やFW鄭志錫ら14人が“トップチーム”に昇格した。
藤島監督はLAVIDAの指導には関わらず、10人の優れた指南役に任せている。練習は学年別に週3回、昌平のグラウンドで行い、火曜日だけ全学年が揃う。村松監督によると対人練習ではやりにくい環境をあえてつくり、選手のアイデアや工夫を試す内容に時間を割くそうだ。
予測と反応によるボール奪取能力に優れる津久井は、「LAVIDAでは毎日対人練習をやり、数的に不利な状況の中で1対1を繰り返しました。予測でボールを奪う力が磨かれたのはそのおかげです」と答えた。