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変わろう、野球 筒香嘉智の言葉「一発勝負のトーナメント制をやめてリーグ制導入を」

筒香が勧める「リーグ制」の導入「プロ野球でさえもリーグ戦」

 では、子ども達に過度の負担を与えずに、勝つ喜びや負ける悔しさを学ぶ機会はないのだろうか。そこで筒香が提案しているのが「リーグ制の導入」だ。WBCなど国際大会の多くは、まずはリーグ戦で順位を決め、準決勝からトーナメント制を採用する方式をとっている。

「そもそも、身体ができあがったプロ野球でさえもリーグ戦なのに、まだ骨格が固まっていない子ども達の大会がほとんどトーナメント制で行われています。将来がある子ども達を守るには、一発勝負のトーナメント制をやめてリーグ制を導入したり、ルールで球数制限や練習時間を決めたりする必要があると思います」

 リーグ制の場合、大会の開催期間が長くなる問題はあるが、負けたら終わりの一発勝負ではなくなる。シーズンを総合した勝敗数で順位が決まるため、たとえ1試合負けたとしても、残りの試合で巻き返せばいい。「シーズンを通じて戦う中で、勝つ喜びも負ける悔しさも味わえる。負けてもまだ次の試合があるという中で、どうして負けたのか、次はどうしたら勝てるのか、子ども達が自分で考えながら問題解決する力も養われるんじゃないかと思います」と、筒香は話す。甲子園も含め、高校生以下の子ども達が参加する大会の形式を見直すべきという立場を取っている。

 話を高校野球に戻そう。筒香は1月に行われた会見で、「あくまでも高校の部活なのに大きなお金が動いたり、教育の場と言いながらドラマのようなことを作ることもある。全てを否定しているわけではないですが、新聞社が高校野球を主催しているので、高校野球の悪というか、子ども達のためになっていないというところを(メディアは)伝え切れていないと思います」と一歩踏み込んだ発言をした。高校時代に甲子園を沸かせた男ですら、いやその経験を持つからこそ、高校野球が球児の手を離れ、大人主導となっている現状を嘆いているのだろう。

 甲子園で白球を追う球児たちが野球を愛し、野球と真剣に向き合う気持ちは本物だ。高校球児をはじめ野球に親しむ小中学生たちが抱く「野球が好き」という想いを、大人たちは真摯に受け止め、尊重し、子ども達の目線に合わせて、未来に繋がる野球の在り方を考えなければならないのかもしれない。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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