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日本の小学生は休めているのか ドイツで大切にされている連休中の「子供の時間」

疲れに慣れることはできても、どこかで成長は止まってしまう

 そういう時、ドイツでは休暇用プログラムに子供を預けたりもする。そこでは普段学校に通っている時間帯に子供たちを預かり、森散策や川の生き物を観察するといったようなさまざまなレクリエーションができるようになっている。オン・オフのメリハリがあると、集中を高めるべき時と緩めるべき時が自然と分かってくる。休暇後にチームの子供たちに合うとみんな元気いっぱいで、目がキラキラだ。心身ともに成長していることをよく実感する。子供には子供の時間が必要なのだ。

 今、日本の子供たちは十分に睡眠を取れているだろうか? 休めているだろうか? そんなことをよく思う。学校のほかにサッカーの練習がたくさんあって、休みの日にはスクールに通って、しかも掛け持ちで一日二コマ通ったりする子もいたりする。

 加えて他の習い事がある。ピアノ、スイミング、公文……。塾通いをし出したら、さらにスケジュールはカラフルになる。

 でも、そのカラフルさが子供たちの彩りを奪うようなことになっていないだろうか? 疲れはどんどん溜まっていく。身体に、頭に、そして心に。そして疲れに慣れることはできても、それが続くとどこかで成長は止まってしまう。ピタッと。

 子供たちのスケジュールは外からどんどん埋めるものではなく、彼らが自分たちで思い思いに描いていけるほうがいいと思うのだ。

(中野 吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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