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「もっと良い選手が出なければおかしい」 スペイン人指導者が見る日本サッカーの問題点

日本サッカー協会(JFA)は、2050年に自国でワールドカップを開催し優勝すると宣言している。確かにプロリーグ創設以降は順調な右肩上がりを見せてきた日本サッカーだが、リノ・ロベルト、吉住貴士、スペインと日本両国の現場を知る2人の指導者は、日本の未来をどのように見ているのだろうか。

スペインと日本両国を知るリノ氏(左)と吉住氏が日本サッカーの問題点を指摘した【写真:編集部】
スペインと日本両国を知るリノ氏(左)と吉住氏が日本サッカーの問題点を指摘した【写真:編集部】

【スペイン人×日本人サッカー指導者対談|最終回】日本サッカーに広がる大きな可能性 「環境を改善すればさらに良い選手は出てくる」

 日本サッカー協会(JFA)は、2050年に自国でワールドカップを開催し優勝すると宣言している。確かにプロリーグ創設以降は順調な右肩上がりを見せてきた日本サッカーだが、リノ・ロベルト、吉住貴士、スペインと日本両国の現場を知る2人の指導者は、日本の未来をどのように見ているのだろうか。

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リノ「2050年に優勝? 冗談でしょ。確かに可能性としては、5年後、10年後でも日本が勝つことはあり得る。試合の勝敗というのは、些細な要素で変わる。だから日本がどんな強豪を倒すこともある。例えばアジアカップ決勝を見ても、22番(吉田麻也)の3度のミスで3ゴールを奪われた。1、2点目は必死に身体を寄せてブロックすれば、絶対にゴールは決まらなかった。3点目のPKを与えたシーンでも、空中戦の際にしっかり手を上げて相手をブロックしに行けば、ハンドにはならなかった。

 ただし、ワールドカップで優勝するには選手が要る。また、その必要な選手を育てるプロジェクトもいる。育成を良くしても勝てる保証はないが、そのための知識、トレーニングの質の向上、身体作りのための休養と栄養の確保は欠かせない」

――吉住さんは、スペインの育成状況を見て、日本が絶対に勝てない部分はあると思いますか?

吉住「ないと思います。もちろん部活をやめて、スペインと同じようにすべてクラブにするのは不可能です。でも今ある環境でも、マンチェスター・ユナイテッドでプレー(香川真司)したり、ミランで10番(本田圭佑)をつけたり、欧州チャンピオンズリーグでベスト4(内田篤人=シャルケ)を経験する選手が出ている。環境面で改善できれば、大きな可能性が広がっていると思います」

リノ「日本の環境があれば、もっと良い選手が出てこなければおかしい。学校の校庭は土が多いが、少なくともグラウンドがあり、リーグ戦も整備されている。この環境を活かしきれていない。疲労を溜め込む長時間のトレーニングなどをやめ、育成に適したトレーニングを積めば、さらに良い選手は出てくる。一方でサッカーを勉強していて、チームの活動内容を吟味できる親はひと握り。どうしても多くの親や選手にとっては結果がすべてで、プレーできなくても強いチームにいれば良いと考える傾向がある」

――吉住さんも、国見高校を選んだのは強かったからですか?

吉住「中学の担任からは、行ってもレギュラーになれないからやめておけ、と反対されました。でも一番有名な高校に行くチャンスがあって、他の高校を選択していたら、絶対に後悔していたはずです。高校時代は、この先生(小嶺忠敏監督=当時)の言うことを聞いていれば、全国へ行ける、勝てると信じていました」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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