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偏差値72の名門・前橋からインハイ出場 文武両道でも「どっちつかず」と苦悩した石関弘晃を救った言葉

柔道の全国高校総体(インターハイ)は8日に北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で開幕。全国から実力者たちが集うが、勉強にも力を注ぐ文武両道の選手もいる。偏差値72とも言われる群馬の進学校・前橋から9日の男子66キロ級に出場した石関弘晃(3年)は、部員5人と人数が少ない中でも成長。個人戦では人生初の全国大会で1勝も掴んだ。「なんでも頑張る風土。刺激を受けて頑張れた」と同校の環境に感謝した。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

群馬の名門・前橋からインターハイに出場した石関弘晃【写真:宮内宏哉】
群馬の名門・前橋からインターハイに出場した石関弘晃【写真:宮内宏哉】

柔道インターハイ、前橋から全国1勝を掴んだ石関弘晃の苦悩は

 柔道の全国高校総体(インターハイ)は8日に北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で開幕。全国から実力者たちが集うが、勉強にも力を注ぐ文武両道の選手もいる。偏差値72とも言われる群馬の進学校・前橋から9日の男子66キロ級に出場した石関弘晃(3年)は、部員5人と人数が少ない中でも成長。個人戦では人生初の全国大会で1勝も掴んだ。「なんでも頑張る風土。刺激を受けて頑張れた」と同校の環境に感謝した。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

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 個人戦では人生初の大舞台。緊張し、舞い上がっていた初戦に技ありで勝利し、全国1勝を掴んだ。「試合を楽しみたい」。落ち着いた次戦は周囲を見渡せる程度に緊張がほぐれたが、菅野駿(新田・1年)に延長戦で敗れた。「ああ、一区切りついたかな」。畳に背中をつけて天を仰いだ石関に、不思議と悔しさはさほど沸いてこなかった。

「出られただけでも嬉しかった。試合を楽しめたかな。もちろん優勝を目指しましたが、いろんな人に支えられてここまで来られたことに、まずは感謝したいです」

 前高(まえたか)の通称で知られる前橋は1877年創立。偏差値72とも言われる群馬の名門公立校だ。「非常に自由な校風だと思います。定期戦(毎年恒例の高崎高校との対抗スポーツ大会)も生徒主体でやっていて楽しい。なんでも頑張る風土で、生徒はみんな癖があって毎日面白いです。後ろの席の子が全国に行く剣道部だったり、周りに刺激を受けて頑張れました」と学校生活を振り返る。

 朝7時に登校し、道場の掃除、トレーニング、予習など授業開始までの時間の使い方は日によってまちまち。平日は午後6時まで練習し、7時からは道場で鍛錬。帰宅後に課題があればやってから寝る。「ため込んじゃうタイプなので、遅いときは深夜3時くらいまで…(笑)。やるときにまとめてやっちゃいます」と頭をかいた。

 柔道部は5人。少人数だが、外部コーチの指導を受けたり、出稽古で実力を磨いてきた。「ほかの学校なら、1人の先生がいろんな生徒を見ないといけない。自分はいろんな先生に支えてもらった」。学業でも成績上位30%近くをキープし続けており、文武両道を貫いているかに見える。でも、両方に力を割いているからこその苦悩もあった。

「1番じゃないのが、やっぱり自分の中で引っかかってしまって。1番になるということは、誰よりも熱量があるということ。そうなれていないということは、気持ちの面で他の選手に負けていて、集中して物事に当たっていないのかもしれないなって思うんです」

 小学1年で始めた柔道に、中学までは一番重きを置いていた。個人では県2位、団体戦では全国出場に届いたこともある。高校に入り、両立を心掛ける日々の中で、休日でも遠征で技を磨く強豪校の情熱が羨ましく思ったこともあった。

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